新卒で監査法人勤務2年目のUSCPAです。監査法人で働くってどんな感じかということを個人的に書いています(テーマは在宅勤務、職場環境、キャリア、投資などいろいろです。)今回は売上原価を例に監査手続きってどんなことしているのかについて書こうかなと思います。

 

監査手続きといっても複数のフェーズに分かれていて、

①リスク評価→売上原価のリスクが高いのか、低いのかを分析する。

②内部統制評価→売上原価を仕訳として計上するプロセス、内部統制をみて大丈夫かどうか検証する。

③実証手続き→実際に計上されている仕訳からサンプルをとってそれが本当に計上されて大丈夫かどうか検証する。(取引は年間だとかなり多くてすべて見るのが不可能なのでそこからサンプルをとって検証するということです。)

 

これらが主なフェーズです。

ここでいうリスクとは仕訳に間違った金額が計上されていないか、別の科目に計上されるべきなのにここに間違って入っていないかなどの観点で見ます(これが積み重なったものが最終的に財務諸表に載ることになります。)

 

②はややこしいのでとばして①、③を説明します。

①ではまず去年と比べて全体的に異常な増減があるかどうかを分析します。(例えばいきなり売上原価が去年から爆増しているとか)

ここで売上原価は売上と関係しているので売上とともに分析することが多いです。

・過去3年くらいの推移を比較して、増減はおかしくないかを検証し

・売上との比率を算出して、推移で比率におかしい点はないか。

・売上の増減と整合しているか(去年より売上が上がっているのに、売上原価が下がっているなど)

 

こんな感じでリスクの大きさを決めて、それと②の内部統制がちゃんとしているかも加味して③のサンプルをどれくらいとるかを決定します。

③、実際に仕訳で計上されている部分を検証します。売上原価=期首棚卸資産+仕入高-期末棚卸残なので実際は仕入高をみることで売上原価を間接的に見る感じですがまあそこはあまり気にせず。

 

さて、じゃあどうやって検証するのかということですが、多くは請求書などその会社ではなく外部が発行するものを使うというのが強い証拠になるのでそれらを使って検証します。

仕入先からの請求書があれば、確かに仕入れたということが分かりますので、その請求書と金額があっているかどうかを調べます。ただ、請求書は一括金額であるのに対し、仕訳はそれを細かく金額で分けて、計上していることが良くあるので金額が一致しないことも多々あります。それは請求書の内訳を見たり、仕訳の関連している部分を見て整合性を確かめます。

全然整合性わからないし、金額も一致しないなという場合は会社の経理の人に質問したりします。

 

このような感じで仕訳が正しく計上されているかを検証するという感じです。

超ざっくりと話しましたがこんな感じです。(サンプル検証の前にサンプル抽出とかをするのが大変なんですけど、ここでは割愛しますね笑)

 

ではまた!