AGA治療が育毛治療として知られておりますがそれ以外にもメソセラピーという治療法を推奨している医療機関があります。
美容整形を主体とした育毛医療に取り組んでいる聖心美容外科(聖心)銀座クリニック(銀クリ)SBC毛髪再生センター(SBC)治療は方法は事なりますがすべてメソセラピーと呼ばれるものです。
メソセラピーとは、特定の成分の注入技術で、美容整形の痩身のための脂肪溶解やシワやシミへのためのコラーゲンやプラセンタを用い首や顔の皮膚の活性化などに用いられています。近年プチ整形と言われるメスを使わない美容整形として使用されています。
メソセラピーは、皮内もしくは皮下に注射器や専用器具(メソガン)で薬剤を少量ずつ注入することで治療法です。育毛に突起して行われている日本独自の治療としてはHARG療法もこの一つです。
女性用のシワやシミに美容クリームの使用。男性の育毛に育毛剤の使用は自分でも日常的に行える方法となりますが注射針やダーマローラー(ダーマスタンプ)、エレクトロポレーションやCO2レーザーなどは医療機関やエステでしか用いることができません。
これは高い美容クリームや話題の育毛剤を使ったけども効果がなかった。それであれば塗るよりも飲む。飲むよりも打つほうが効果があるとの考えが広まっているからです。塗るよりも飲むというのはサプリメントやコラーゲン飲料やコラーゲンボールを食べると体内から成分が働くという考えからです。
城西クリニックなどミノキシジルタブレットやプロペシアの服用を推奨しているのは一般的な育毛方法と有効成分を患部に注入する美容外科で行うメソソラピーの間となります。
お話にあった3つの医療機関は主体としてグロースファクター(EGF)やミノキシジルをそれぞれに異なる方法で注入しています。
聖心やSBCは一般的にはダーマローラーとして知られるマイクロニードルで皮膚表面に小さな穴をあけて聖心スタンプ状の針を用いたダーマスタンプを使い、SBCはダーマメソという電動のマイクロニードルを連続して頭皮に刺しEGFを皮下組織に導入するという方法をとっています。SBCはそれ以前よりCO2フラクションレーザー と呼ばれる機械を使っており最近になり電動ダーマメソを治療に始めたようです。
くすんだ皮膚をピッカピカの美肌に! フラクショナルCO2レーザー
<http://www.s-b-c.net/co2/?utm_source=google&utm_medium=cpc&wapr=4d9db524>
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この中のある医療機関に至ってはヘアーマックスを定価の倍以上の価格で販売をしている病院もあり、メソセラピーにおいても適正な価格で提供されているとは思えません。
皮膚の深さによって、作用させなくてはいけない成分が異なる場合はあります。 だからといって頭皮注射や機械で穴だらけにしても、本当に良いのでしょうか?
皮膚の深さによって、作用させなくてはいけない成分が異なる場合はあります。 だからといって頭皮注射や機械で穴だらけにしても、本当に良いのでしょうか?
マイクロニードルというHARG療法などで用いる通常の針とは異なるほど細く小さな針ではありますが当然痛みも伴い、歯科で用いるリドカイン(塗る痛み止め)などを塗ってから頭皮に穴をあけることで塗布した有効成分がバリアゾーン(皮膚の防御層)を貫き浸透させることができるといわれています。
HARG療法について
バリアゾーンは細菌などの体内への進入を防ぐ皮膚の層によって身体に悪影響を与えるような物質もそうですが有効と呼ばれるような成分の体内への侵入も妨げてしまいます。その結果、シワや美白といった有効成分が配合された製品はいくつも発売されておりますがそれが作用しない原因はこのバリアゾーンによって肌の生成に直接関係している基底層や真皮層への浸透を阻まれてしまうことからメソセラピーに注目が集まっております。
銀クリは聖心やSBCとは異なる電気穿孔法というメソセラピーを用いています。エレクトロポレーションはメスや針を使用せずマイクロエレクトロポレーション(電気穿孔法(でんきせんこうほう、electroporation) 形質転換法の一種であり 細胞懸濁液に電気パルスをかけることで細胞膜に微小な穴を空け、細胞膜や毛包、汗線を通じ有効な育毛成分を患部に浸透させるというものです。
患部に有効成分を投与する治療は注目を浴びており、ガンの治療でドラッグデリバリーシステム(DDS)についての研究が進んではいますが育毛においてそれが有効かはまた別の問題です。EGFには様々な種類があり、それが複合的に混ぜ合わさったものでものであっても顔のシミやシワのように基底層や真皮層は皮膚の生成に直接関与している組織なので有効成分を注入することで効果や変化を得られる可能性はあります。
加齢や様々な理由で衰えたり髪の成長が弱まってしまった頭皮の改善を図るのであればメソセラピーを用いる意味があったとしても髪の成長に直接関与する毛乳頭までは頭皮表面と毛包でつながっているためにマイクロニードルで新たに穴をあける必要は本来はありません。
特に銀クリやHARG療法が用いるミノキシジルやフィナステリド(プロペシア成分)は基底層や真皮層で作用しても全く意味がありません。また一般的にこのような美容外科が近年注目をしているタイプのEGFは頭皮の衰えがあるような年齢の方やヘアサイクル(毛周期)の休止期から離脱できず、髪が成長していないような方には有効かもしれませんが20代から40代くらいのAGAや壮年性の脱毛の方にはこれらの病院が用いている種類のEGFを導入しても期待できる育毛効果は限定的です。
50~70代で髪の生成効果だけではなく頭皮の衰えや毛周期が著しく悪化して、成長期が短くなってしまった方や休止期から離脱できない方になります。
若い方の脱毛の場合に有効なタイプのEGFは海外では市販向けに発売されていたりエレクトロポレーションなどの安全性の高い手法でのメソソラピーを用いている海外の育毛医療機関向け専用で販売をされているEGFなどは毛周期や頭皮環境の改善ではなく、毛乳頭に髪の生成に不可欠な血液中たんぱく質を供給する毛細血管を新生する成長因子(上皮血管新生因子)VEGFという成分が用いられています。
VEGFのグロースファクターについて
従来の血行促進成分やミノキシジルが血行促進効果を主成分としているのは毛細血管を通じて毛乳頭に届く血液中たんぱく質が細胞分裂したものが毛髪となります。
育毛 生活習慣の悪化や血管プラークの血行不良が抜け毛や薄毛に及ぼす問題
例えるならば毛髪を植物として捉えるとわかりやすいです。これまでは毛髪のために植物に直接栄養を与える方法が取られていましたが一般的なEGFは植物が育つ土俵に注目したものです。VEGFのような特殊な育毛剤は現在の植物の根元(毛乳頭)から栄養を吸収する新たな根(毛細血管)を増やすのがその役割です。
EGFなどのタイプの育毛剤はバリアゾーンが皮膚の上層部となる表皮に存在することから頭皮表面にどれだけ、頭皮の改善を目的とした有効成分を塗布しても基底層や真皮層に作用させることができないかもしれません。ですが活性化を図るために一般的な育毛の場合に働きかけなくてはいけない毛乳頭と顔のシワやシミのように皮膚を生成する基底層や真皮層を活性化させるのではアプローチが大きく異なります。
塗るよりも飲む。飲むよりも打つと考えるのは大変安易な考えです。育毛剤を塗布しても効果がないのは使用させている育毛剤ではなくお使いになっているご自分の毛包が皮脂や老廃物がつまっていて育毛剤が患部である毛乳頭に到達していないことから効果を発揮していない場合があります。
育毛剤の浸透性や効果を高める手段としてご自宅でも用いることのできるイオン導入というドラッグデリバリー法があり頭皮専用の物もあります。月に1度のメソセラピーよりイオン導入を育毛剤を塗布する度にお使いいただく方が遥かに効果が期待できます。
続きは以下でお読みください。
AGA治療以外のメソセラピーの問題について2
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