それまでは歌舞伎って、教育テレビでとても眠い時間帯に、地味ぃ〜に放送している印象が。
画面に映って見始めが「義経千本桜、四の切り」の場面。
階段から瞬きした瞬間に白のもこもこのキツネさんが、現れる。手すりのヘリをツ〜〜っと横切る、部屋の上の方の天窓から舞い降りる、あっちにいたかと思ったら、花道からせり上がる。あげくは、宙吊りになって、桜の花吹雪の中にとびながら去っていく。
なんじゃこれ!
私の歌舞伎の、眠いのイメージをみごとに覆す。
めっちゃおもろい!
市川猿之助さまの 「義経千本桜 四ノ切り」
その時のキツネが今の猿之助さまだから、猿之助さまは今や、キツネさんにしかみえない。
猿之助さまのお顔の形がちょうどよい、、
肩の幅がちょうどよい、、
手の大きさがちょうどよい、、
時々見える不安そうな眼差しがちょうどよい、、
首のかしげ方がちょうどよい、、
成田屋の荒事は肩幅のゴツさ、お顔の派手さ、手のひらの大きさなど團十郎家のそれでちょうどよいが、、
猿之助さまのお箱は、キツネさまがちょうどよい、、
猿之助さまより身長が高ければ、ちとおかしい、、
猿之助さまよりお顔が長いと、ちとおかしい、、
本当にちょうどよい。
うまくできている。
澤瀉屋の傑作である。
猿之助襲名記念のご本。
私の愛読書
亀治郎時代のお宝写真がたっぷり
海外旅行にも持って行く