彼女とともに夢を見た社会【前編】(追悼:認定NPO法人代表堀江尚子さん) | イクメンクサツ

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追悼 認定NPO法人代表堀江尚子さん

 

 

 本気で泣いて、笑って

 

 

ママと子どもたちのために

より良い社会を実現しようと

物凄いスピードで動き

大勢の人たちを巻き込みながら

本気で泣いて、本気で笑って

本当に社会を少しずつ変えていった

そんな方でした。

 

 

認定NPO法人代表堀江尚子さん、享年51歳

2023年12月20日未明に息を引き取った彼女。

 

滋賀県草津市を中心とする

子育てグループのリーダーとして

大旋風を巻き起こした

彼女の人生は

非常に濃く

あまりに短いものでした。

 

 

 

 近くに知り合いがいなく、孤独を感じているママたちのために

 

彼女に初めて出会ったのは2012年11月12日

 

まだNPO法人の設立の3年前のことで

子育て応援団ネットワーク 玉っこひろば

の代表者としての堀江尚子さんでした。

  

当時、待機児童が大勢いたJR南草津駅周辺の未就園児を集め

草津市立玉川市民センターでママと子どもたちの

交流イベントを毎週企画されていました。

 

当時の私は、

市長に政策提言をする草津未来研究所の研究員として

彼女の活動の様子を取材し

現地ヒアリングもさせていただいて

『南草津のまちづくりに関する調査研究報告書

-南草津地域のまちづくりの方向性についてー』

としてまとめ、

千葉県柏市にあるような

アーバンデザインセンターの設置などを

市長に提案しました。

 

 

 

 

そして、後に、この政策提案は

アーバンデザインセンターびわこ・くさつ(UDCBK)の設置

につながることになります。

 

私は2015年に草津未来研究所から部署異動をして

まちづくり協働課にいましたが

UDCBKの設立準備の市民ワークショップには

市民の立場で何度か参加し

そのときに「マーシー」と名乗り

参加者と交流を深めていました。

 

 

 

 NPO法人くさつ未来プロジェクトが誕生

 

 

2016年8月8日、堀江さんをリーダーとするママたちによって

NPO法人くさつ未来プロジェクト(KMP)が設立

 

 

 

 

当時の私は、彼女たちの活躍ぶりを

SNSで拝見していたものの

ものすごい活力を持ったママたちがいるなぁと

完全に傍観者でした。

 

そんな彼女と再び急接近したのが2016年11月12日

関西圏の自治体職員向けに自主勉協会として開催した

「近畿自治体学会フォーラム2016in滋賀」でした。

当時、実行委員をしていた私の強い推薦で

パネリストの一人として加わっていただきました。

 

 

 

 

 

 マーシーの神対応

 

近畿自治体学会フォーラム2016in滋賀で

実行委員として受付を担当していた私は

誰も彼女のことを知らない

東近江市の地で孤軍奮闘する応援団として

急遽来られたママさんたちの

未就園児たちを一人預かり対応しました。

 

後に知ったのですが、

どうもそのことが

KMP仲間のSNSで

「マーシーの神対応」として

バズっていたそうです(笑)

 

 

  ギネス記録、そしてロケット教室へ本格参戦

NPO法人くさつ未来プロジェクトが

当時開業した草津川跡地公園de愛ひろばで

ギネス記録を達成したのが2017年4月

 

一度に同じ場所に野菜の衣装を着て集った人数が

888人でギネス世界記録!

 

このことが当時草津市内でもあまり知られていなかった

NPO法人くさつ未来プロジェクト(KMP)を

一躍有名にします。

  

私もKMPに協力的な市職員としてその準備に少し関わりました。

 

 

その後、KMPに深くかかわることになったのは、

KMPのメンバーの一人から

KMPで子どもロケット教室に挑戦したいとの

話を聞いてお誘いを受けてからです。

 

本物のロケット開発もされている

植松電機社長の植松努さんの動画を見た

私は、2017年7月、正式にKMPの一員として加わり

子どもロケット教室のスタッフとして

活動をすることを決め

さっそくペーパークラフトロケットの作り方を教わります。

 

 

 

 

 

当時、素人スタッフだけで行う子どもロケット教室は、

全国どこにもなく、ロケット作成キットもなかったので、

植松電機のホームページから設計図をダウンロードして

ケント紙に印刷して切り出しから行うもので、

完成までに数時間を要し、

完成したとしても、

接合部分に隙間ができて

うまく飛ばないことも毎回数機あるものでした。

 

 

 

 わくわくエンジンと湖南市

 

「助けて」が気軽に言い合える社会にしたい

ママたちが毎日笑顔で過ごせる環境を整えたい

と常日頃から考えていた堀江さんが次に見つけられたのが

 

自らがわくわくする原動力「わくわくエンジン」

 

ある日、堀江さんは、

Yahoo!ニュースで見かけた記事の中で

認定NPO法人キーパーソン21

代表理事の朝山あつこさん

壮絶な人生とその考え方に熱く共感され

まったく面識がないにもかかわらず

直接連絡を入れ

アッという間に仲間になり

湖南市の甲西高校などでの

わくわくエンジンの実現につなげていかれました。

 

 

 

 

その後、

2019年4月にUDCBKに異動になった私は

堀江さんやKMPの仲間たちとの交流を

毎日のように深めていきます。

 

ある時には、

東京でロケット教室をしてみたいという

女性が東京にいるので

直接会いに行くと言って

急に東京に行くことになり

随行したこともありました。

 

この絶対不可能かに思われた

狭い東京でのロケット教室も

堀江さんのドロップキックにより(笑)

後に、ドリームロケットプロジェクトとして実現します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 新型コロナウイルスで全国小中学校一斉休校

 

ようやく軌道に乗り始めたかに見えた

くさつ未来プロジェクトでしたが

2020年の年初に発生した新型コロナウイルス感染症

緊急事態宣言で状況は一変します

 

2020年2月末から約3か月間

全国一斉休校が続くことになってから

孤独を感じているママたちが減るわけはなく

堀江さんから様々な相談を受け

さらに深く関わり始めることになります。

 

同年8月8日に予定されていたKMP設立5周年記念イベント

「KMPサマーフェスタ」は700名収容の大ホールで

植松努さんや朝山あつこさんや工藤勇一先生など

全国各地から講演者を招く予定をしていましたが

緊急事態宣言中で社会の動きが止まっている間にも

その開催の日が無情にも近づいてきていました。

 

ここからの苦労は言葉には言い尽くせないものがありました。

 

 

 

 

【後編に続く】