7月13日にヤンキーズの長年の名物オーナー、ジョージ•スタインブレナーが亡くなった。7月4日に誕生日を迎えたばかりだったが、オールスター戦の日に心臓まひをおこした。80歳だった。

スタインブレナーのあだ名は「ザ•ボス」。最近は衰えていて、あまり出回っていなかったが、チームをまず大切にして、こだわりのある存在だった。メディア、ファン、そして選手にも恐れられ、嫌われる存在でもあったが、なによりも勝つこと、優勝することに全力をつくす人だった。

ヤンキーズの元一塁手、ティノ•マルチネスは「スタインブレナーさんは史上最高のスポーツ•チームのオーナーだ」と言った。他のチームのファンは「ヤンキーズは金遣いが荒いから(そして利益が他のチームの何倍、何十倍だから)」と批判するが、現状はスタインブレナーはヤンキーズを38年の間に7回のワールドシリーズ優勝に導いた。プレーオフ進出は19回。

ビジネスマンとしても天才だった。1973年にヤンキーズを1000万ドルで購入したが、現在ヤンキーズの価値は16億ドル(FORBES.COM調べ)だそうだ。38年間でヤンキーズの価値は160倍になった。現在スポーツチームでヤンキーズより価値があるのはEPLのマンチェスター•ユナイテッド(18億ドル)とNFLのダラス•カウボーイズ(16.5億ドル)のみ。

ビジネスマンとして成功したからとはいえ、けっしてチームの方針は安定していたわけではない。38年間に監督を15人起用した。その中、3人は首になったり、雇われたりの繰り返しが続いた。たとえば元監督ビリー•マーチンは5回雇われ、4回首になり、一回辞任した。まさにスタインブレナーとの「LOVE&HATE」の関係の象徴だ。元監督のボブ•レモンもジーン•マイケルも2回づつ首になって、また2回雇われた。78年から83年の間はヤンキーズの監督がなんと10回変わった!

そんな経歴があったので、従業員はさぞかし「ザ•ボス」を恐れていただろう。実は完璧主義のスタインブレナーは彼自身、世界でたった一人だけ恐れている人がいたと言う。それは先週99歳で亡くなった元ヤンキースタジアムのパブリック•アドレス•アナウンサー(スタジアムのアナウンサー)「神の声の持ち主」、ボブ•シェパードさん。その理由、「シェパードさんは完璧だったから」とスタインブレナーは言ったそうだ。

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