今年で50歳になる兄の状態…。
はっきり言って 、ひどくなってきている。
妹家族が遊びに来て、帰ろうと車に乗り込んだ途端、各部屋の窓を開け放ち換気…。
潔癖症の症状が強くでていて、明らかに精神面の不安がみてとれる。
理由は簡単で、一緒に住んでいる80代の両親の老い(体の衰え)を無意識に感じているから…。
身内ぐらいしか繋がりのない兄は、これから先が怖いのだと思う。
【両親あっての生活】
【両親あっての安心感】
今の兄の生活は、全て両親が用意したもの。
兄自身が築き上げてきたものではない…。
両親は「兄が不安になると妄想がひどくなる」という理由から、彼に失敗を経験させなかった。
いつだって兄を先導し、干渉し、止めてきた。
これでは両親亡き後の生活に、自信がなくて当然と思う。
だから、いつも同じことが思い浮かぶ。
「絶対に家族で抱え、囲い込んでは駄目だ」
本人が生きる道筋を、前もって親が用意してはいけない。
本人と(身内以外の)外の人達との関係を絶ってしまう環境はいけない。
言い換えるなら…。
本人が悪戦苦闘したものこそ、彼の生きる術であり、自信なのだと思う。
そのためにも、外での人との繋がりや経験は不可欠だと感じている。
時に何らかの壁にぶつかったとしても、そこから本人や家族が学ぶことはある…。
家族で抱えることは、最終的に何の解決にもならない。
それどころか、[きょうだい]の人生にも影響をあたえかねない。
必要なのは、外に助けを求める勇気だと思う。
そして、外に委ねる選択と、そこで起きることを受け止める覚悟…。
それをする時、本人も家族も、きっとすごく怖い。
きっと、すごくしんどい。
けれど今、兄を見て思う…。
「兄にとっての本当の幸せについて、私を含め誰も真剣に悩み、考えてこなかった」と。
だからこそ、両親は金銭をのこそうとすることで、自分達亡き後の不安や心配を誤魔化しているのだろうし…。
私たち姉妹は、これから先を考えて憂いているのだろう。
けれど、外の世界には、それを一緒に考えてくれる人がいる…。
知識と経験を活かして、よりよい提案をしてくれる人がいる。
どうか私たちのように…。
本人の可能性を閉じてしまう方法が、最善だと勘違いされませんように…。
そう切に願っている。