先日、実家の果樹園を手伝いに行ったところ…。


茶の間の机に、一通の封筒が…。


送り主は新聞社で、中には図書カード。


何なの、これ…!?


父にたずねると、


「お母さんが新聞の読者欄に投稿してな。掲載されたから、謝礼に送られてきた。」


詳しく話を聞くと、お盆の戦争体験記事に、自分の父親のことを書いて送ったのだそう…。



ものすごくびっくり!!



母の父(私の祖父)は、母が2歳の時に南の島で戦死…。


祖母は家を守る為に再婚。


母には義理の父親が出来たのですが、本当に苦労の連続だったようで…。


戦死した父親のことは、ほとんど周囲に話すことがなかった母。


私も祖父のことは、親戚や祖母から聞いたくらいで…。


その母が父親のことを話すなんて…。


ましてや新聞という不特定多数に向けたメディアに…。


母に、


「すごいね!新聞に載るなんて!何よりの供養だね」


と言うと


「そうやなぁ。私は父親の記憶がないけど、周りから聞いた話を伝えておきたいと思って…。」


と嬉しそうでした。



母が戦地からの祖父のハガキに目を通したのは、祖母が亡くなった後で…。


手紙の存在は知っていたそうですが、読もうという気持ちになるには、何十年という月日がかかったようです…。


それほどまでに、母は、私の想像をはるかに超える複雑な心を抱えて生きてきたのだと思いました…。


そんな生い立ちや環境も、毒母になった大きな理由のひとつ…。


戦争は終わっても、そこから3代にも及ぶ後遺症を残すのだと痛感しました。





心のうちを話す(書く)ことは、放すことにもつながります。


何十年の月日を得て、母はずっと抱えてきたものを少し手放せたのかもしれない…。


そう感じました。


改めてご先祖様の愛と守っていただいていること、そしていただいた命に感謝する、そんな一日になりました。


「ありがとうございます」


合掌