先日、個人先達のなかで
京都えびす神社⛩️をお参りしながら
えびすさま(事代主命、蛭子神の習合として)
のご神徳の話をしていました。
事代主命という神さまは古事記の中で
こんなパーソナリティーで登場されます。
天の国(高天原)の天照大神のおつかいで
地上の国(葦原中国)を譲るようにと
交渉しにきた建御雷神命や経津主命が
大国主命に国譲りを迫ると、
大国主命は美保ヶ崎で漁をしている
息子の事代主命(八重言代主命)が答えると
言いました。
そこで、建御雷神命が
美保ヶ崎に行って事代主命に国譲りを迫ると
事代主命は「承知した」と言って
船を踏み傾けて、『天ノ逆手』を打って
青柴垣に変えてしまい、その中に隠れて
その場から消えてしまいました。
この『天ノ逆手』という所作は、
手を逆さに打つ、つまり、後ろに逆手にして
ドアを閉めるような仕草と言われていて
わたしの超絶自己流な意訳になりますが、
『この国譲りの件は承諾しましたが
これに関わる修羅場のゴタゴタしたこと
については私は一切関与しません』
という、線引きの意思表示のポーズになります。
後に事代主命の兄弟の建御名方命も建御雷命に
従うことになると、大国主命は国譲りを承諾して
事代主命が先頭に立ってこの国代表として
立っていくのであれば、わたしの子どもたち
180人も事代主命に従って天津神に
背かないでしょう、と言いました。
これが、事代主命さまについての
今伝えられている国譲り
ストーリーの一場面です。
事代主命さまが天の国と地上の国の両方の
言葉を話せたバイリンガル?!であったこと
手短に通訳がしっかりできる聡明さ、
言葉の遣いかた、選び方の智慧があること、
そして、
地上の国を治めた国津神代表の大国主命に
全信頼をおかれる判断力や人柄、なども
さることながら、
『天ノ逆手』という所作をして
交渉ごとにつきものの争いやゴタゴタに
巻き込まれないという
人間関係の線引きをしっかりできる智慧
このことが、交渉交易のプロというか
達人であり、すごいなと思うお智慧です。
この、線引きの部分って
お商売においては必須ですよね。
ほんとうに大切にものを守るためにも、
身の丈にあった生業で無理なく
進化発展成長していくためにも、
ここまではやるけど、ここからはしない
というわかりやすい意思表示は
自分のため、そして周りの人のためにも
とても大事です。
その安心の中で、お互いにできることを
持ち寄れるから、商売は伸びていく。
自分も周りも社会も豊かになるという
三方よしの商売繁盛につながりますね!
事代主命さまをお祀りしている神社⛩️に
ゆかれるときは、ぜひ
こんな視点からも、感じてみてください。
今のあなたに必要なお智慧だなぁと
思われたら、事代主命さま(えびすさま)
にどうぞ、線引きのお智慧をいただく祈願を
してみてね!!
うずめカフェ 巡禮記 松本育子