先日の巡禮記熊野三山ツアーのときに
先達の須佐厳さんが話されていた内容を
編集してまとめています。
この記事は
【如意輪観音様の青岸渡寺にて】
に続く、お話のまとめ2です。
【般若心経の本意】
般若心経が言ってる本意は、
「無」って もの や こと は「無いんですよ」
ということ。
般若心経は
亡くなった人へ、ご成仏を勧めるには
とても適したお経です。
肉体が無になってることと、
「だからといって、
魂が無くなってるわけではありませんよね？」と
亡くなった人が肉体を失って
魂の存在になってることを
説得しやすいお経なんです。
これ（般若心経）を理解できれば、
あなた（魂）もご成仏に一直線！
こんなお経です。
あなたは死んでしまえばやがて肉体は
「無」になるけれど、あなた自身の意識は
「無」にはならないことに気付くんですよ。
だからまた、輪廻転生できるし、子孫を
見守ることだってできる。
恋愛だって物理的に存在しないものだけど
そうだからって「無」ではない。
愛しあって喜び合うって「無」ではないでしょ？
だからこの世を生きるってことが
色即是空に続いて空即是色、なんです。
肉体は顕れては消えるけど
魂は「無」ではないんですね。
「無」ってものやことは無いからこそ
物理的に存在しないそれらは 大切なもの。
考えれば考えるほど悩み
悩めば悩むほど、物理的に理解しようとして、
物理的には「無」だから
あっさりとあきらめようとしてしまう、
ものすげー厄介なものです。
そして、
それが般若波羅蜜の「蜜」なんです。
お釈迦様から一部の人達が
直に受け継いでこられた
文字では伝えられない仏の覚り、教えを
「密教」と言いますが、
密教の「密」は
人が秘密にしている密ではなくて、
実は、『自分の中にあるのに
解らない真理のこと』を言います。
人の祈る姿を見てハッと"気づく"ことや
以心伝心で伝わる本当の想いだったり…
言い表すことはなかなかできませんが
みんなの中にもうある真理です。
日本に初めて密教を本格的に伝えた
弘法大師 空海 様は、その真理を今も
いろんな方法で伝え続けて下さいます。
般若波羅蜜の「蜜」も同意語で
そんな風に自分の中にある、
『文字には表しきれない
大切なもの』を差しています。
それは、
何かで測ろうとしたり
誰かに決めつけられた言葉で捉えようとして
加減し始めると
物理的「量」を探し始めてしまいます。
「量」こそ「無」なので
完璧にバランスを崩して
「色・意識・視覚・味覚・触覚など」の
自分だけに備わった物理的な生き方に
大きな支障をきたすんです。
そう心経には書いてあります。
物理的には無いけれども確実にある
あなたの大切なもの、
に当てはめて感じてみてください。
量や加減、重さ、時間、速さ、距離。
そんなもので考えてたことが、
「無」ではない、つまりなくならないから
測れるものではないことがわかってきます。
そして、
物理的な血肉である このからだを生きながら
自分の中にあるその「蜜」に触れていくことが
自分を生きるって祈りなんです。
(巡禮記 熊野先達 中 須佐厳さんのお話より)
〜お経って？？般若心経の本意編〜
