浄土宗・我が家流お盆③
〜京都式と大阪式〜


<8月16日>
菩提寺や親族が住む大阪府と兵庫県では8月13日にお迎えした御精霊さんを送るのは15日の夜。
そして、菩提寺では16日に施餓鬼供養法要が朝から営まれる。

しかし、京都では16日の朝に「あらめの煮物」と「送り団子」を御供えしてから送る。
そして、夜には「五山送り火」で京都中のご先祖の霊が送られる。

ということで、お精霊さんは京都式でお祀り。
「あらめ」の代わりに「ひじきの煮物」を御供え



般若心経を上げたあと、塔婆を向いのお寺に納めてお参り。
供物も同じお寺が指定場所になっていた。

その足で、今度は菩提寺の施餓鬼供養にお参りのため大阪府池田市へ向かった。

◆大阪府<西光寺>
お寺には午前11時に到着。

門の幔幕には浄土宗の宗紋「杏葉紋・ぎょうようもん」が白く染め抜かれている。
この杏葉は法然上人の生家の漆間家の紋に由来。
よく似た「茗荷紋」には葉脈が入っている。



境内は阪神淡路大震災の際に一部建物が半壊して門の脇から車が本堂前に入れるので、大施餓鬼供養法要では参拝者の駐車場になっている。

本堂前の大きな百日紅は例年より花が多い。
本堂の縁に置かれた施餓鬼壇の白い布と卒塔婆が見える。

受付に回って施餓鬼供養を申込むと119番だった。
広間でしばらく待って順番がくると本堂へ呼ばれる。



毎年、本家のお墓にお参りして、施餓鬼供養の順番が終わったあとは、お寺で本家、分家の方々と待ち合わせ。年に一度、揃って昼食をとりお話をするのが恒例になっていて楽しみ。

<福のまち池田のビリケンさん>
お寺の近くの「ほんまち通り」に「落語ミュージアム」があり、その斜め向かいの「ポケットパーク」にビリケン像がある。池田市市制70年を記念して「福のまち池田」のシンボルとして設置された。

お寺への往き帰りに必ず通り、いつもビリケン像の足の裏を掻いてお参りする。
ビリケンさんは足の裏に手が届かないので「足の裏掻いて笑うと願いが叶う」とされている。



ビリケンさんは明治44年、池田市出身の田村駒治郎の繊維会社「神田屋田村商店(現・田村駒)」が商標登録し販売促進用品や商品キャラクターとして使用。

通天閣の二代目ビリケン像は田村駒本社のビリケン像がモデル。
池田市のビリケンさんのモデルも勿論、田村駒のビリケン像。

京都<五山送り火>
京都では午後8時に如意ヶ岳の「大文字」点火。その後、5分置きに「松ヶ崎妙法」「舟形万灯籠」「左大文字」「鳥居形松明」の順に点火され、お精霊さんをあの世に送り届ける。

今年は天候が不安定で夕方から所々で雨。点火時刻には雨は音をたてて降り出した。
これまでに雨の日はあったが、これほど激しい雨は記憶にない。

大阪からは夕方に帰宅して「五山送り火」をTV中継で見ていた。雨の中、無事点火され「妙法」「船形」「鳥居」が映し出されたが、場所に寄って「大文字」は雨で見えなかった様子。
遠来の観光客にはお気の毒だった。

気を取り直して、和菓子で「五山送り火」を楽しんだ。

<五山送り火のお菓子>
★仙太郎「薯蕷 五山送り火」
一口サイズの薯蕷饅頭・白と抹茶に五山の焼印入。



★鶴屋吉信「京涼・きょうりょう
「大文字」が浮き出ているところがいい。表面は水羊羹で中身は粒あん入。