思いがけず号泣映画でした。


単なる子供向けファンタジーではない。

ので、その棚に置かないでもらいたい。もったいない。


まわりと上手く折り合いが付けられない

そんな二人の子供が出逢い、作り上げた、空想世界テラビシア。

心の目を開かないと見えない世界。

それは現実逃避ではなく、現実を生き抜くための場所。


よくあるファンタジー映画とは異なり

現実がしっかりと裏打ちされているのが良かった。

異次元に迷い込む、のではなく。

すべてそこで起きていて、すべて現実の糧になる。


何もかもがうまくいくような気がしていた。

そこに待ち受ける残酷な現実。

それを乗り越えさせてくれたのも、やはり空想世界テラビシアだった。


現実を見よ、と父親は言う。

夢ばかり見ていてはいけない、と。

だけど、彼らが見ていたものはただの夢ではない。

それは大人たちが忘れてしまった世界。

子供のころ、誰もが描けた世界。


忘れてしまったあの頃を思い出させてくれる

そんな貴重な映画でした。

いわゆるおとぎ話なので

思った通りにハッピーエンドがやってくる。

けれどソレをそこまで胡散臭く思わなかったのは

それぞれの登場人物が魅力的だったから?


先祖にかけられた呪いのせいで、豚の鼻を持って生まれてきた少女。

その姿が人目に晒されないようにと、彼女を守る両親。特に母親。

呪いを解くために集められた婚約者候補たち。

少女の姿をスクープしようとたくらむ記者。

彼により婚約者候補に紛れ込まされた、一人の青年。


その青年との出逢いが少女の心を変え、

彼女は守られていた家を抜け出し、「世界」に飛び込む。


前向きで逞しい彼女を見ていると

なんだか応援せずにはいられなくなりました。

豚の鼻でもかわいいわけで。

いや、豚の鼻時代の方がかわいかった気さえする。


ありのままの自分を受け入れることが

新しい未来を切り開くことなのだと、

当たり前に思えるけれど忘れがちな大切なことを

再確認できる、そんな映画でした。

旅に出よ、決して後悔はない。


夢の国アメリカへ渡ってきたインド人夫婦と

その国で生まれ育った彼らの子供たち

そんな家族の物語。


ふたつの世代とふたつの風習の間の深い溝。

血のつながりだけでは越えられぬ溝。


それでも血のつながりを感じる瞬間。


家族にはそれぞれの想いがあるもので

それがいつも相手に届くとは限らない。

理解しあうのは難しい。

そのほかの人間関係と同様に。


だけど、想いが届いて遅すぎることはない。

たとえ相手がこの世にいなくとも。

それを人は後悔と呼ぶけれど。

その瞬間、確かに想いは届いているのだから。


あらゆる想いが交差して、観ていて切なくなったり

それでも、そこら中に愛が溢れているので

切なくも温かい、そんな映画です。