床上浸水家屋の清掃方法(下記記事の追加分)
被災した家屋の清掃方法
感染症予防のためには、 清掃 と 乾燥 が最も重要です。
屋外の場合
基本的には、屋外(床下や庭)の消毒は不要です。
床下浸水の場合
(1)家の周囲や床下などにある水や汚泥をかき出し、不要なものは片付ける
(2)床下は、新聞紙や雑巾等で吸水し、風通しをよくして十分に乾燥させる
(扇風機などで強制的に換気することもよい)
(3)水で流せるところは、泥などの汚れをよく洗い流す
消石灰の使用は、原則不要です。清掃と乾燥を徹底しましょう。
消石灰は、強アルカリ性のため、風で飛散し、目に入った場合、結膜炎や失明することがあります。
どうしても消石灰を取り扱う必要がある場合は、素手で触らず周囲の安全に留意しましょう。
床上浸水の場合
(1)水が引いた後、濡れた畳や家の中の不要なものを片付ける
(2)汚れた家具や床・壁などは、水道水でよく洗い流すか水拭きをして乾燥させる
(3)食器類や調理器具などは、水洗いして汚れを洗い流し、消毒液や熱湯で消毒する
(4)冷蔵庫や食器棚などは、汚れをきれいにふき取った後、消毒液で消毒する
(5)水に濡れた電気配線や家電製品は、安全のため専門家の点検を受けてから使用する
消毒液の使い方
消毒液 |
対象と使い方 |
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食器類・流し台・浴槽 |
家具類・床 |
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次亜塩素酸 ナトリウム (家庭用塩素系漂白剤) 商品名:ハイター ミルトン ピューラックス |
0.02%に希釈する (1)食器用洗剤と水で洗う (2)希釈した消毒液に5分間漬けるか、消毒液を含ませた布で拭き、その後、水洗い・水拭きする (3)よく乾燥させる |
0.1%に希釈する (1)泥などの汚れを洗い流すか、雑巾などで水拭きしてから、十分に乾燥させる (2)調整した液を浸した布などでよく拭く (3)金属面や木面など色褪せが気になる場所は、水で2度拭きする |
消毒用 アルコール |
希釈せず、原液のまま使用 (1)洗剤と水で洗う (2)アルコールを含ませた布で拭く ※70%以上のアルコール濃度のものを使用する ※火気のあるところでは使用しない |
希釈せず、原液のまま使用 (1)泥などの汚れを洗い流すか、雑巾などで水拭きしてから、十分に乾燥させる (2)アルコールを含ませた布で拭く ※70%以上のアルコール濃度のものを使用する ※火気のあるところでは使用しない |
10%塩化 ベンザルコニウム (逆性せっけん) |
0.1%に希釈する (1)泥などの汚れを洗い流すか、雑巾などで水拭きしてから、十分に乾燥させる。 (2)調整した液を浸した布などでよく拭く |
0.1%に希釈する (1)泥などの汚れを洗い流すか、雑巾などで水拭きしてから、十分に乾燥させる。 (2)調整した液を浸した布などでよく拭く |
※家庭にある家庭用塩素系漂白剤を使用していただいてかまいません。
清掃作業時の注意点
傷口からの感染を防ぐために
・丈夫な手袋や底の厚い靴などを着用しましょう
・長袖など肌の見えない服装を着用しましょう
土ほこりへの対応
土ほこりが目に入って結膜炎になったり、口から入ってのどや肺に炎症を起こすことがあります。
・ゴーグルとマスクを着用しましょう
・作業後は手をよく洗いましょう
けがをした場合には
傷口を流水で洗浄し、消毒しましょう。特に深い傷や汚れた傷は、破傷風になる場合があるので医療機関に受診しましょう。
目に異物が入った場合は、目を洗浄し、医師へ相談しましょう。
熱中症に注意しましょう
台風が過ぎ去った後は、気温が上がることがあります。
また、肉体的・精神的な疲労により、いつもより体調を崩しやすい可能性があります。
こまめな水分補給と休憩をし、無理をしないようにしましょう。
食中毒にも注意
・生水は、飲用に適した水をのむこと
・浸水した井戸や受水槽については、安全と衛生を点検してから使用する
・水に浸かった食品や停電により保存温度が保てなかった「要冷蔵・冷凍食品」は食べずに廃棄する
・避難所等での食品はできるだけ早く食べ、残った場合は廃棄する
・発熱、下痢、腹痛などがあった場合は、早めに医療機関に受診する