白人はあれで通訳できると思ってるの? | いわき市台風被害掲示板★南相馬、浪江町、双葉町、錦、勿来等

白人はあれで通訳できると思ってるの?

 有名ゴルファーのMさんの取材先で面白いことがあった。


Mさんに対する英語での会見の後、米国人記者の1人が日本語で話しかけた。


 「わたし、話を聞きます」とこんな感じでである。それに4人ぐらいの別の米国人記者が群がっている。その日本語で話しかけた記者を通訳にしようとしたのだろう。


 脇で見ていて笑ってしまった。その「通訳係」の記者の日本語といったら、NOVAで言えば最低レベルの7C。いや、それ以前のキッズレベルかもしれないぐらいなのである。


 「あなた、いいゴルフ。日本、ゴルフ、ファン、多い」とこんな感じで、とてもインタビューができるレベルではない。


 それなのに、くっついている4人は真顔である。それで通訳ができると思っているからだ。


 米国人というのは、言葉を学んだことがない人が多いので、ほんのちょっと話せる人を「通訳レベル」と思ってしまう傾向がある。白人がよく「コンニチワ」とか、「サヨナラ」とか話しかけてくることがあるが、そこから「日本人デスカ?」までいく人は少ない。


 白人で「日本人デスカ。私はアメリカ人です」なんてことを言う人がいると、日本人は、「日本語お上手ですね」なんてことを言う。


 でも、本当にそうだろうか?


 日本人が英語を勉強して、「私は日本人です」と言っても、日本人からは英語使いとは見なされない。「私は子供が二人います」とか「私の出身地は雪が多くて、この時期にはスキーがでいるほどなんです」と話しても、別に通訳レベルとは言われない。



 それなのに、米国人が日本語でこれを言ったら大変だ。「あなたの日本語は素晴らしい」とべた褒めなのだ。


 米国人が日本語を話す場合の評価は甘いし、日本人が英語を話す場合の評価は、非常に辛いということなのだろう。これって、何なのだろう。


 NOVAのボイスルームでも、よく、こんな問題があった。


 米国人の講師が、英語がうまくない日本人の高齢の生徒をバカにしたような態度をとった。議論のようなことをしていて、その高齢の生徒の意見を「幼稚だ」というのだ。


 私はその人のことはよく知っていて、とても知的な方だった。それでも英語でそれを表現するとなると、やはりレベルが高いだけに難しい。レベルの高い日本語の知識、能力を持っている人ほど、それを正しく表現しようとすると困難にぶつかってしまうというのはよくあることだ。


 逆に、高校生ぐらいの子が流暢に自分の意見を英語でいう。当たり前である。大した内容がないのだから、英語にするのも簡単なのである。


 その米国人講師がその高齢の生徒をバカにしたような態度をとったので、私は、その講師にすかさず聞いてみた。「あなたは、母国語以外の言葉が話せますか?」。


 そしたらその講師は、日本語が話せるという。話してみて欲しいといったら「コンニチワ」「サヨウナラ」だったわけだ。


 私は、「そのレベルだと、NOVAなら7Cの一番最初だ。それで話せると思ってるのか? この高齢の生徒さんはNOVAの英語のレベル3だ。あなたがこの人を笑えるのは、あなたが、母国語以外の言葉でレベル3以上になった時ではないのか?」と言った。そしたら、その講師は黙ってしまった。


 日本人は、自分たちの語学力についてもっと自信を持つべきではないだろうか?


 二つ目の言葉を話すのは難しい。それに真剣に向かっている人がこれほど多い国も珍しいのではないか。


 ちなみに、私が通っているESLは11クラス。上のレベルに行くほど日本人の比率が高くなる。スパニッシュや、韓国、中国の人々は、なかなか上のレベルにあげてもらえない。うるさいぐらいによくしゃべるのだが、文法や基礎的な知識がしっかりしていないからだ。