私のバンド仲間２

　大学生の頃に組んでいたバンドの数は多かった。同一時期に５バンドを掛け持ちしていたのを最高に、累計で２０バンドぐらいはやったかもしれない。いや、もっとやったな。

　バンドをする人の中でドラムというのは少ないので、どうしても頼まれるのだ。頼まれるとイヤとは言えない。でも、一回のサークルの定期演奏会で５つとなると、やはり疲れた。

　メインだったフュージョンバンドを始め、サザンのコピー、浜省のコピー、レベッカのコピー、プログレ、ハードロック、英国系ポップス、米国系ポップロック、ユーミンのコピー・・・・・。楽譜と曲を録音したテープが、私の部屋にはたくさん転がっていた。

　その中で、どうしても好きになれなかったのは、プログレ。それ以外は、大概好きになった。

　私がバンドに入るのを拒めば、ドラムがいなくなってバンドとして成り立たなくなることが多かったので、どれも結構まじめにやった。

　夏休みや春休みには、志賀高原や河口湖にあるスタジオつきの旅館に合宿にいった。

　そこで、昼間は練習し、夜は毎晩のように宴会ライブだった。宴会ライブといっても、広いスタジオを借り切って部員全員で飲み食いしながらセッションするというものだ。セッションといっても、即興で合わせられるようなレベルの部員はいなかったので、どこかのバンドが演奏する時に、勝手に入っていって、自分も演奏してしまうというものだった。

　これが結構楽しい。

　学園祭も楽しかった。

　普通の格好をして演奏しても誰も知り合いしか見に来ないので、それではつまらないと思い、仮装して演奏した。

　うちの大学には音楽サークルは５つぐらいあったから、あちこちの教室から大音響が漏れてきて観客は、その中から選んで入るのだった。

　我がサークルは、その中でも結構人気があった。

　通りすがりの人でものぞけるように、歌謡曲とか日本のポップスとかをちりばめていたからだ。（もちろん、その合間に、本当にやりたい曲もやったが）

　あの頃、サークルで一緒にバンドをした仲間の中で、年賀状のやりとりをしてるのは、ほんの６，７人。なぜか、その後、交流する人は少ない。

　日本に帰ったら、あのサークルの同窓会でも企画してみようと思っている。