子供の公開学校 | いわき市台風被害掲示板★南相馬、浪江町、双葉町、錦、勿来等

子供の公開学校

 きょうは、ロサンゼルスで子供たちが通う小学校の「学校公開」の日でした。


 夕方に学校が公開されて、教室に、子供たちが一年間で書いた作文や絵や工作が飾られます。



 子供たちが書いた英語で書いた作文や、作品をみると、「こどもながらによく頑張っているなあ」と感じます。


 うちの双子は小学校三年生です。「そのぐらいの子は、半年もすれば、英語が話せるようになる」なんてことを言う人がいますが、それはうそですね。



 確かに、現地の子とコミュニケーションができ、授業で先生が話すことも理解しているようですが、現地の子と同レベルというのは遠い先の話です。


 それはそうです。相手が生まれてから9年間かけて積み上げてきたものを、一年で日本の子ができるようになったら、それは変ですもんね。



 私たち両親と一緒に、展示のしてある教室に入って行った子供たちの様子をみていると、「学校ではこうなんだろうなあ」というのがうかがえます。


 少し緊張気味に先生に挨拶をして、自分の作品に見入っている私たち両親の顔を不安そうにみています。作品は、やはり、他の現地の子供のように自由気ままにという感じではなくて、「先生の説明がわからないながらも、一生懸命に作った(書いた)」という感じ。


 教室の中で会うクラスメートとの接し方を見ても、まだまだ、転入生という感じが抜けません。英語もたどたどしいし、自信なさげですね。


 それを見ていると、子供たちの気持ちがよくわかります。


 私も、「特派員でござい」みたいに世間的には見られていますが、まだまだです。現地の記者の中にはいっても、不安だらけです。日本で英会話を10年近くも習ってからこちらに来た自分が、そんな状態なのですから、子供たちがどんなに不安なのかは推して知るべしです。



 学校公開が終わった後は、「一年間よく頑張りました」というお祝いの意味を込めて、みんなで焼肉を食べに行きました。子供たちには、二人とも、「一年間で、よくあそこまでできるようになったね」とほめてあげました。



 子供たちは彼らなりに、「自分たちの教室での姿をみた親がどんな顔をするだろう」と不安があったようで、われわれ両親がほめてあげると、うれしそうな顔をしていました。


 

 私は、「パパも、取材先で、アメリカ人しかいなくて、日本人がパパ一人ということが多いよ。そういう時は、とても心細いし、逃げ出したくなるよ。でも、そこにずっと居続けていると、少しずつ知り合いができてくるから、うれしいよね。お前たちも、逃げ出さないでよく、一年間頑張ったね。それだけで、十分にすごいことだと思うよ。これからは、一人ずつゆっくりと友達を作っていこうね」と二人の頭をなでました。


 「ご褒美に、なんでもほしいものを言っていいよ」と言ったら、二人で万歳していました。


 我が家にとって、この一年は、これまでの中で最も大きなチャレンジでした。言葉がまったく通じないクラスメイトの中に放り込まれて、寂しい思いをしながら、一年間頑張り通した子供たちには、「ほめる」というより、むしろ、「親の都合でそんな状況に立たされたのに、よくやった」という感謝の気持ちでいっぱいになります。


 まだまだ我が家の苦境は続きますが、家族全員で励ましあっていこうと思っています。