卒酒に関する第3弾としては,お酒を卒業することの効果について論じてみたい。
お酒を卒業する効能は大きく5つあると考えている。
第1に,卒酒による時間の有効活用である。
お酒を飲めば,飲んでいる瞬間は楽しいが,飲み終わると眠くなる。したがって,その後に仕事をすることは難しい。
店から直帰して,せいぜいメールをチェックして,風呂に入って寝る,ということになる。
酒豪を自称する方は,のんだ後でも仕事ができる,のんだ後の方が仕事が進むとおっしゃるかもしれないが詭弁である。
酒を飲み続けてきた私が言うのだから間違いがない。その証拠に,しらふのときの仕事の質と比べて,飲んだ後の方が質が高い,と自信を持って言える人はいないはずだ。いたとしたら,正直ではないか,または普段,よほど質の低い仕事をしていることを自白しているに過ぎない。
飲まなければできた仕事が,お酒のせいでできないということは,その日の晩の仕事時間や,クリアーな頭でものを考えることのできた時間を無駄にしたということになるのである。
第2に,卒酒により健康が得られることである。
酒は脳や内臓(特に肝臓)に悪い。仮に少量であればそれほど悪くないとしても,大量の飲み続ければ間違いなくこれらの機能を低下させる。
アルコール依存症となるリスクもあるし,短期的に見れば酔って転んだり,ということにもなりかねない。
飲むことによって得られる楽しみには,それと比べるべくもない健康や安全といったリスクを犠牲にしていることを忘れてはいけない。
第3に,卒酒による失言リスクの回避である。
酒の席での暴言は,ときにセクハラ,パワハラなどと評価されることにもなりかねず,これは会社で重大なマイナスとなりかねない。
そうでなくとも,酔って軽口をたたいたために友達を失うということは珍しくない。
酒を飲まなきゃいい奴なんだが,という評価をされてしまうと,社会での信用すら失うことになるのである。
第4に,卒酒による法律を犯す危険の回避である。
酒を飲めば運転をしてはいけないが,どうしても「近距離であればいいじゃないか。」,「自分は酔っていない。」と言って運転をしてしまう人が一定割合いる。
酒を飲んで運転すればそれだけで犯罪であるし,交通事故を起こせば,危険運転致死傷罪などの重罰に処せられる危険もある。
また,酒を飲んでしまったがゆえに気が大きくなり,喧嘩などをして他人を傷つけるという事件も決して少なくない。その結果,下手をすると一生を棒に振ることになりかねないのである。
今ここで酒を飲むことによって,一生を台無しにする危険があるということを考えなければならない。
第5に,卒酒はお財布にやさしいということである。
外食の際,飲まないと決めていれば,お水かお茶でいい。もちろん,美味しいノンアルカクテルを飲んでもいいが,お酒のように次々と5杯も10杯も要らない。
家飲みでも,ビール,ワイン,ウィスキーではなく,ノンアルコールビール,お茶,ソフトドリンクであれば,金額にして数分の1ではないかと思う。
長い目で見れば,飲まないほうが経済的に絶対にお得なのである。
なお,このことからもわかるように,飲む人と飲まない人では,外食時の単価が違う。したがって,飲み会で酒を飲まないと,最初は,何か損したような気分になる。
しかしこれは間違いである。飲まないことによって,時間と健康を買っているのである。さらには失言リスクや犯罪を犯すリスクをゼロにするための保険料と考えれば安いものである。
割り勘のときに,飲んでないからその分安くならないか,などとケチなことを言わず,堂々と同じ金額を払って気持ちよく,アフターの時間を有効活用すればよい。