今思えば、モロッコとの初めての出会いは、ラルクのPV だった。たぶん。
もう、15年近く前の話。
巡り巡って、まさかこの場所に行くとは、思ってもいなかった。
アイト・ベンハッドゥは、モロッコで一番美しいカスバだ。
どの村も、とてもとても素敵なのだけれど、この場所はグンを抜いていた。
と言うか、この村に宿泊(新市街の方だけど)出来たのも、ラッキーだったのかもしれない。
カスバが目の前に見えるホテルに泊まり、テラスからカスバを照らす朝日を見られたことは、
ここに滞在しないと体験できないことだった。
素通りしてしまうには、もったいない位の場所だった。
川をロバやミュールで渡り(後で気づいたらラクダもいて、そっちも良かったかなー)、カスバの中へ。
今もまだ修復中のこのカスバ、ベルベル人の家族がまだ数組住んでいる。
ミュールで川を渡らせてくれた彼も、カスバの中に住んでいる、と言っていた。
カスバに入ると、迷路のような道をどんどんと登り、てっぺんへ。
下に広がるカスバの奥に、川をはさんで新市街。
風の音と、目の前の風景に、やられました、私。
息を飲むって、こういうことなんだろうなー、と思ったり。
あの空気感の中に、このカスバは存在しているんだなって。
これは、行かないと分からない。
あの場に立たないと、分からない。
実はこの日、前日の雨で足元がぬかるんでいて、靴がドロドロに。
それでも、きゃっきゃ言いながら、ドロドロになりながら歩いたこの場所は、
本当に素敵でした。
さすが、世界遺産!(実はそうなの。)