観て来た。
あまりにも、良かった。
何が?
って聞かれると、これって答えられないけど。
誰もがきっと懐かしい。
そしてちょっと切なくなる。
実家に帰省した、ただ一日の物語。
家族の物語。
たった、それだけなんだけど。
きっと、この映画が懐かしいと思える自分は、とても幸せ者なんだと思う。
是枝さんの映画は、シネコンじゃなくて、小さな街の映画館がよく似合う。
大学の頃通っていた映画館も、100席にも満たないスクリーンのある小さな所だった。
ミニシアター系の作品を公開から半年以上遅れてたった一週間ずつ上映するような、田舎の小さな映画館。
是枝さんの作品を初めて観たのもそこだった。
そんな思い出とオーバーラップするような場内は満席。
年輩のご夫婦の姿も目に付く。
会場全体が落ち着いた雰囲気。
そして、流れる時間をゆっくりと楽しんで、終わった後はなぜだかほわんとした空気に包まれていた。
隣に座っていたご夫婦のだんな様が奥様に向かって、
「久しぶりに良い映画を観ましたね。」
と一言。
穏やかに。
たまには実家へ帰ろう。
例え短くても。