春は別れの季節・・・
桜の咲き乱れる季節になった。
一郎は何気に空を見上げた。
ふっと
沙希の顔が浮かんだ・・・
「どうしているんだろう・・・」
懐かしさと共に
唇に手を当てた。
幼稚園から中学まで
近所に住んでいた事も有り
同じ道を歩んだ。
沙希は、
真面目で人当たりが良く
頭が良くてスポーツ万能な活発な子だった。
僕はと言えば・・・
背が低く、勉強はまあまあで
人当たりはいいのだが、スポーツと言えば
走るのが得意なだけでその他の競技はさっぱりだった。