リスクマネジメントと聞くと難しく思われるかもしれませんが、将来的に何か不都合な事や困るであろう事が起こった時の対処法をあらかじめ考慮・準備しておくという事です。
人生においてこれが出来ていると、余裕のある人生になるかもしれませんね。

リスクマネジメントはペットを飼育する上でも大切な事だと思います。

ペットの飼育での最大のリスクは「ペットの死」でしょう。
しかし、ペットの死は遅かれ早かれ迎えるものですし、最期を看取ることは飼い主の最大の責務です。
そこで『いずれ訪れるであろうペットの死期までどう一緒に過ごすか』を考えてからペットを飼育し始める事が正しいと私は思います。
そうしておけば、ペットが病気になった時や亡くなる時にテンパらなくて済みます。

ペットの死の原因は事故でない限り、病気がほとんどです。

では、ペットが病気になった時、飼い主はペットに対しどうしてあげたいかを考えましょう。
ペットは喋れません。治療をするのかしないのか、するならどう進めていくかを選ぶのは飼い主の仕事です。

治療を選択する時に、投薬が出来るのか、軟膏などの薬を身体に塗る事が出来るのかなど、『普段からの出来る・出来ないこと』が大きく関わってきます。

ペットは、病気を治す為に必要だからと自ら進んで薬を飲みませんし、リハビリとかもしません。
全ては飼い主がコントロールしなければなりませんよね。

よくあるケースとしては、
飼い主はペットを治療したいと思っているが、ペットが治療を受けれ入れてくれない・させてくれないので飼い主が困るというケース。
薬を飲ませたり注射をしたりする時、また手術や入院が必要な時に「ペットが可哀想、病院が嫌いで…」とおっしゃる飼い主のケース。

そのような飼い主の場合、こちらが思うのは『治療を諦めるの?』と感じてしまいます。
治る病気でない、さらに末期だったら…仕方ないとも思いますが、そうではなく治療をすれば治るのに、投薬が出来ないからとか可哀想だからとの理由で治療を諦めてしまうのはもったいないです。

ペットを飼育し始めたら少しでも長く一緒に居たいと思うのが飼い主の気持ちだと思います。

だからこそ、飼育始めの時から病気になるリスクを考えておき、治療が出来るように慣らしておく必要があります。犬はもちろんの事、猫でもうさぎなどの小動物でも、です。

身体のあらゆる部分を触られる事に慣らす、動物病院の環境に慣らす、など飼い主がペットに対してやっておくべき事はたくさんあります。

さらに予防をちゃんとしておく事も大切です。
ワクチン接種などの薬で予防できるものだけでなく、日常生活から体調管理を気を付ける事も予防になります。
小動物に多い食べ物の好き嫌いや飼育環境によって起こる病気もちゃんと知り、それを普段から対処することが病気の予防にもなり、必要な事です。

健康を維持する為には、と色々な情報や方法が世の中出回ってますが、結局のところは『適切な食事、適度な運動、腹八分目』なんだだと思います。
これはペットだけでなくて、人間にも当てはまりますが。
お菓子やお酒が美味しいからとそればかり飲み食いしてたらダメ人間になりますよね…。
おやつを食事代わりにしているワンちゃん、いますよね!?(苦笑)


犬に厳しい動物病院だと自負しておりますのではっきり言いますが、
飼い主が出来ない(と思っている)事が動物病院や他の場所・人だと出来るという事は、飼い主でも出来ます!犬を我慢させられない、頑張らせてないだけです。

その仕方が分からないという方はご来院の上、ご相談くださいね。

良い飼い主様だなぁ~と思う方は、飼い主としてのリスクマネジメントがちゃんと出来ている方だと私は感じています。
リスクの対処法を準備しておけば日々の生活がもっと豊かなものになりますので、ぜひやってみてください。
それには、自分自身が一番不安になる事は何か?と自問自答する癖を付けておくようにしましょう。答えが見つからず困ったら専門家に相談するのがベストだと思います。