ヒカル

あの時の事

スタジオの待ち時間に書かせてもらいます。

あの日は
とても寒い寒い日で

俺は仕事に追われる中
丁度 少し身体が空いた昼過ぎの事

やっさん(マネージャー)から突然の電話があった

その頃のヒカルは

アーティストを噛んじゃったり ちょっとした問題児で

スタジオから200mくらいの事務所に引っ越していました。


ずっと一緒にいて しっかりとしたシツケができてたわけじゃ無いので

俺のせいですが



打ち合わせから帰ってきたらヒカルが動かない


急いで車を出して

もう動かないヒカルを連れて

泣きながら病院に行きました


あいつはとても冷たくて

3時間前までは餌も食べていたのに

何が起きたのか全くわからなくて


前におもちゃを食べた事があって
その時はずっと食欲が無くすごく痩せてしまって。。
たくさん食べさせてあげて体重を戻してくださいと言われ
餌も多くあげてました

なのに、死んでしまったときは とっても細くて
ふっくらとした毛で ここまでとはわからなくて
たくさん抱き締めてあげていれば
気づいたはずなのに

獣医さんに
解剖して死因を調べますかと言われて

もう生き返らないのに

寒いところで 辛かったのに

これ以上 切り刻んで 痛い思いをさせたくないって

そのまま連れて帰りました


次の日の火葬を予約して

今日だけは

2人でいさせて欲しいって

やっさんにお願いして


丁度その時
ステレオポニーの
『ありがとう』が、映画、天国からのエールの主題歌に決まって制作追い込みだった。
明日までに仕上げなければいけなかったから、
ヒカルを膝の上にのせて朝まで 思いを込めて制作してた

この曲は癌で若くして亡くなった、沖縄のあじさい音楽村(ステポのメンバーがいたところ)のニイニイへ捧ぐ歌で、ニイニイの実話の映画の主題歌でした。

当時、自分も亡くなった人たちへの想いをぶつけて、
メンバーと二人三脚で制作していたから、
想いいれもほんとに強くて

しかもニイニイの名前もひかるさんと言って、
偶然にしては出来すぎた 二つのヒカルという命に、


泣きながら

何度も

ヒカルの頭を撫でながら

硬くなっていくヒカルに

ごめんねと言いながら


どこかで聞く機会があれば
聞いてください


BOND総出で 二つのヒカルという命への追悼を込めて制作した楽曲です

この曲が どこかで 誰かの哀しみを

やさしく包んで

笑顔を咲かせるきっかけになれば

とても とても

嬉しいです


いつもどこかで繫がってる

命限りあるモノ達へ

その命の儚さと

強さ

あたたかさに

精一杯の気持ちを込めて



ありがとう