世界中で不況の波がどんどん渦巻いている昨今です。
お財布の中身が年末に向けてどんどん寂しくなるのが容易に想像できる自分の懐状況は
別にしてもw、経済状況は芳しくない家庭の方も多々居られるかと思います。
そんな中、サブプライムローンによりどんどん経済が悪化の道を辿っているアメリカですが、
ウォールストリートで金持ちとの格差を非難するデモがおきたのも記憶に新しいです。
では実際にその富裕層との格差は広がっているのでしょうか。分かりやすくグラフで見ていきましょう。
こちらはトップ企業100人の最高責任者の収入が何人分の労働者の給料に
相当するのかを計算したものだそうです。ご覧のとおり40年前は45人分であり、
景気がいいとされていた80年代なんかは127人分だったのが、今では1723人分にも
上がっており、どれだけ規模が大きい会社が増えたのかが分かるグラフになっていますね。
でもこれだけでは格差が広がったとは言えないですね。2006年の集計であれば、
スティーブ・ジョブスやビル・ゲイツも含まれるわけで、これだけ労働者と収入差が広がっていても
まあ分かるかなという範疇です。
次はこちら。
1979年~2006年の間に収入が何%増えたか、各家庭の所得別グラフです。
上位5%の高額所得家庭は87%増え、下位20%の低所得家庭は0%と増えていない、という結果に。
これはひどい。よく、少し前の「一億総中流」といわれた日本は奇跡的だった、という言い方が
されますが、これはあまりにもひどいですね。金持ちはどんどんと貯金が増え、庶民は金を吸われる
一方という図ができています。
言い逃れできない格差がこちら。
6大銀行の金融資産の推移と、
灰色のグラフが労働者の生産量、黒色が賃金を表しているグラフと、
26週以上の失業率の推移を表したグラフです。
どれだけ私利私欲に身を任せ今の富裕層が動いているのかを読み取ることができます。
賃金は減るばかりなのに、より上の労働量を求める。そして法の目をくぐり、全員を口車に乗せて
自分たちの収入を増やすことしか考えていない。こんなことでは世界各地で暴動やデモが
起きていてもなんら不思議ではないですね。
企業が大きくなるのはいいことですが、その分従業員の数は増えます。
上の責任者は一人ひとりの部下に家庭があることを理解しているのでしょうか。
理解していていないから、十分すぎるほどの給料を貰っているのにさらに欲し、
部下のことを省みずにさらに私欲に走るのではないでしょうか。
いくらマーケティングスキルに優れていようが、仕事ができようが、会社の業績を上げようが、
自分が抱える労働者を満足に食わせられなかったら、責任者失格であり、
自分の責務を果たしてはいないですよね。まったく同じことが政治家にもいえると思います。
まったく血の通っていない政治的判断や言動に寒気を感じることすらあります。
『信用』という脆い概念が資本主義を支えているという前提がある限り、「お金を使っても大丈夫」という
消費者の信用と安心を獲得しないと現在の不況の状態は悪化するばかりだと思います。