「1と9の謎?」第13話
「マッカーサーへの手紙」
けんたろう】「それが天皇の仕事なんだね」
館 長】「そうじゃ、それを何千年も毎日続けてきたのが
日本の天皇なんじゃ、
親という字は木の上に立って子供を見守ると
いう字になっておるじゃろう。天皇も国民の親なんじゃよ。
親から見たら問題児ほど可愛いと言われるように
天皇に反発する国民も確かにいるが、
すべてを受け入れて親のように、
ただ幸せだけを願って見守って下さっているのじゃよ。
またちゃんと食べているか心配してくれているんじゃ。
あなたたちのお母さんも『ちゃんと食べている?』って
心配するじゃろ? それといっしょじゃ。
その親子の関係は、いつか切れるときが来るのかな?」
れいこ】「私のお母さんもいつもごはん食べた?
しっかり食べなさいって言われる。
そんな親とは一生親で切っても切れない関係よね。」
館 長】「天皇と国民の関係も親子の関係と同じで
切っても切れない関係なんじゃ。それを難しい言葉で言うと
日本の国体っていうんじゃよ。」
ひろし】「雲の上の存在だと思っていた天皇が、
自分の親的存在だったとは・・・びっくり!
でも全然実感わかないなあ~。なんか例をあげて話してくれない?」
館 長】「アメリカや連合軍の戦争で多くの犠牲者を出した国では、
日本に対するうらみの矛先が天皇に向けられ、
一部には処刑にすべきという声もあったんじゃ。
その事が伝わると千人を超える日本人がマッカーサーに
手紙を送ったんじゃ。その1枚を紹介しよう。」
『今上天皇はご歴代の天皇の中で
一番ご苦悩の多いご不幸な天皇でいらっしゃいます。
それを思うといつも涙が流れてまいります。
天皇をお守りするために、
天皇の命を保障される代わりならば、
本当に私どもの命をよろこんで閣下のお国へさしあげます』
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(伊藤タカ)
※今上天皇=現在の天皇しめす=つまりここでは昭和天皇
この当時、マッカーサーに手紙を送ることは
危険な事じゃったんじゃ。連合軍ににらまれたら
次々に逮捕されていたからな。しかしこの手紙には堂々と
住所、氏名があり、血判が押してあった。
マッカーサーは手紙を読み、国民を救うために
命を捨てようとされる天皇・・・
天皇を守るために命を捧げようとする国民・。
これがマッカーサーの見た日本の姿じゃったん
じゃ。」
ひろし】「なんか映画みたいだね。」
館 長】「だから海外の王室と国民は対立関係
の所も多いが日本の王室は同じ王室でも、その
本質が全然違うんじゃよ。
日本の天皇制は必要とか不必要とかで
語られるものではないんじゃ。
難しいが、自分の親は必要とか不必要とかで
議論できないのといっしょじゃ。
親がいなかったら自分はいない。
親も子供がいて初めて親になるんじゃ。
国民あっての天皇であり天皇あっての国民なんじゃ。
分けられない、ひとつなんじゃよ。分かるかな?」
けんたろう】「うん!僕は分かるよ。
親は自分だけが幸せで子供が不幸だったら
ほんとの幸せとは言えない。運命共同体なんだね。
なんか日本の皇室って温かいものを感じるし
素晴らしいって思える。
ますます日本が誇りに思えてきて嬉しくなっちゃう!」
次回~☆
「1と9の謎?」第14話
(憲法9条 戦争放棄って理想論?)