花:紅葉ヒペリカム、小菊4種

器:荒木萌光作ガラス花器



岩場に囲まれた湖のような四角い水盤と遠い山並みのような景色がついている丸い器とで一組の花器です。



作者が事前にガラス研究室を通して送ってくれた作品画像データにセンス良く花が活けてあり、「こう活けてほしい」、「こう使ってほしい」という作品に込められた想いが感じ取れるところにとても好感が持てました。



今回作者の制作意図に乗り、作者が使った花材に近い花材を用い、ボリュームの出し方、花材の配し方に少々私の好みを加味しながら丸い花器に枝物を挿して右側に流し、四角い水盤で小菊4種を浮き花にしました。



水と山の花器に活け表した秋の情景です。



ただ、2つ一組で花器を作るのであれば、デザインを揃えて同じものを2つ作るか、大きさや高さでリズムやメリハリをつけるか、あるいは形や色で対比させるべきです。



この場合、2つの器の色味が近いところが非常に気になるところで、水盤の方を暗い色にして浮き花がさらに映えるように、また水鏡の効果が得られるようにし、丸い器の方はシンプルな白い器にして岩場のような水盤と形態的・色彩的に対比させたほうが花を活けた時の効果が高かったと思います。



また、丸い花器を吊り花器にして高さを与えると、枝を流した下の空間がさらに生きると思います。