花:朴の枯葉、バラ(シャインオン)

器:久野由依作ガラス花器

【2023.11.23武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科ガラス専攻公開特別講義・花生けデモンストレーション】



梨の実をモチーフにした花器です。



梨の実のかたちを的確にガラスで捉えているだけでなく、手に馴染むいいかたちに仕上がっており、手に取るとさらに良さが伝わる秀作です。



また、キルンワークで口が小さくて内部空間を広く取るものを作るのは難しいのですが、工夫を

して内部にしっかり水を溜められるように作ってあるところを強く褒めたいです。



作者は「葉がついている果物には特別感がある」というところを制作のきっかけにして「葉を活ける花器」として作られていますが、葉物のみだといけばなとしていささか寂しいのと、この花器には葉物を立てて足元を花物でまとめる一花一葉のスタイルがぴったりはまるので、この時期ならではの一花一葉を活けることにしました。



まず、飛騨の郷土料理「朴葉味噌」にも用いられる朴の葉を器に立て、枯葉の色と梨の実の歪さに合う雰囲気のバラを探してきて朴の葉の足元に配しました。



秋から冬へ向かう一花一葉です。