今日、たまたま時間が開いたので、子どもを通わせているスイミングスクールのレッスン風景を保護者席から眺めてみた。コロナ時代は観覧が制限されていたので、まともに見たのはほぼ初めてだったが、自分の子ども時代の水泳教室との違いに驚いた。
まず、1つのコースで、複数の級に属する生徒を教えている。いわば「複式学級」だったことだ。うちの子は背泳ぎの初歩の級にいるのだが、次々に泳いでいく子を見ると、平泳ぎのキック練習をしている子もいれば面付き(息継ぎなし)クロールの練習をしている子もいる。これじゃコーチも大変だな…と思った。
なぜこんなことになるのか。すべてのスイミングスクールが同じだとは思わないが、ちゃんと理由はあるように思われる。
私は団塊ジュニアの子どもが多かった世代だが、今や少子化が進み、スイミングスクールの生徒自体は減っている上に、なにより昔以上に曜日や時間設定が細かい(1日に3~4コマある)から、1コマ単位でみると昔より生徒が少なく、級ごとにコースとコーチを別にして教えることが難しくなっているのではないだろうか。
次に驚いたのが、コースの利用方法が一方通行になっていたことだ。
つまり、コースの端から泳ぎ始め、真ん中あたりでコーチの指導を受けた後、片道を泳ぎ切るとプールサイドに上がり、歩いて戻ってきて再度プールに入り同じ向きに泳ぎはじめる…の繰り返しだ。私が子どもの頃は、コースロープで仕切られた1コースの中では右側通行による対面通行だった。片道を泳ぎ切ってもプールサイドに上がらず、水中でしばらく順番待ちした後、逆向きに泳ぎ出すのである。プールサイドを歩いて元の位置に戻る時間がない分、この方が正味の練習時間・本数は増えるし、単位時間当たりのプール内で泳げる人数も2倍になるので、順番待ちでロスする時間も減らせる。
片側通行にしてしまうと、プール内にいる人数が少なくなるため、プールサイドを回って出発側に戻ってきても、10人ほどの待機列ができてしまい、3~4分は泳げない時間ができてしまう。1時間1コマをどれだけ有意義にレッスンに充てられるか(いかに泳ぎまくるか)と考えると、「1時間分のレッスン料を払っているのに、半分くらいはプールサイドで待ってる時間なのか?」と私には感じられてしまい、ちょっと残念なものを見せられた気がしてならなかった。
もっとも、現代のスイミングスクールで「対面交通」を取らない理由があるとすれば、ほかでもない衝突事故防止にあることは私も重々承知しているけれども…。要するに責任問題が怖いんですよ。
何の気なしにスイミングで子どもの姿を見ていたが、いろいろ勉強になることはあるものだね。
