奈良井川土坡形石 | 水石 一刻亮のちょっとしたコダワリ

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水石の深淵なる美を見つめて

さてさて、街を見渡すと春の花々が、競い咲き始めていますね・・・

ウメは散り際・・・。

早咲系のサクラにミツバツツジ、それにオウバイ、ジンチョウゲ、ツバキ、そしてハクモクレンにシモクレン

春ですねぇ・・・

 


 

床飾りは、主石に『奈良井川石』の土坡形、

水盤は鴻陽の『瑠璃釉切立楕円』、卓は『紫檀猫脚平卓』です。

 

掛け軸は庭山耕園作、『紫木蘭瑠璃鳥図』

 

一昔前はモクレンに木蘭と言う字をあてていたようです。

 

このルリチョウの後ろ姿がなんとも風情が有りお気に入りの掛軸です。

 

大正時代の作品ですね。

 

 

ルリチョウに合わせた訳ではありませんが、水盤の釉薬は瑠璃釉です(だと思う)

 

 

奈良井川の梨地真黒石ですが、乾いた状態では灰色ですね。

長方型の深さの有る水盤にも据えて見たのですが、水盤の厚さが気になり、この飾りとなりました。

あと5ミリも深さが有ればもっと見栄えがすると思うのですが、手持ちの道具では限りが有ります。

 

少々腰高の石ですが高土坡とまではいかないですかね・・・

この様な石全体の輪郭をも楽しみたいような石は、台座の方が良いように私は思います。

土坡形とは言え、抽象石的な要素を多く含んでいると思うからです。

 

 

 

 

 

川ズレの効いたキメの細かい梨地肌が特徴の石です。

 

濡れ肌です。

やはりこうして画像で見ると尚更に、水盤が薄いため石がボッテリと野暮に見えますね・・・

 

改善の余地あり、

或いは、それまでの石ですかね。