仁淀川石(姿石) | 水石 一刻亮のちょっとしたコダワリ

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水石の深淵なる美を見つめて

床の間飾りを変えます。

どうやら、私がやろうとしていることは『室礼』という日本古来のの文化らしいです。

設え・しつらえ・しつらい・室礼、もとは同じことを意味するところから波及していったらしいです。

 

室礼については、まだまだ勉強中ですので

ある程度考えが纏まりましたら記事にしたいと思います。

 

床の主役となる掛物は、今尾景年筆

『菊鶲図』です。

 

いわゆる共箱ですが、表具を仕立て直した際若干幅が変わったものか

墨書が有る部分だけ切り取って新しい箱にはめ込んで有ります。

掛軸の場合良くある事ですが・・・。

 

 

 

今回選んだ飾台はカリン材の『達磨卓』です。

達磨卓と言ったらこの程度の高さが有るのが普通だと思いますが、

前回飾り付けた卓は少々珍しい形ですね。

石の勝手と木目を合わせるのが違和感ないと思います。

 

主石は『仁淀川石』

赤石と言うよりは茶色系のチャートの様です。

 

台座は名人『広寿台』です。

 

 

 

 

法衣を纏った僧侶に見えます。

庭に咲く菊花を愛で、鳥のさえずりに耳を澄ましているようです。

 

鳥名はジョウビタキ

竹の支柱にとまっていますね

 

嵯峨菊か管菊ですかね、

 

葉の描写が実に上手いと思います。

 

 

 

耳、目鼻立ち、蓄えた顎髭まで見えて来そうです。

 

姿石の場合、台座の脚があまり目立ちすぎるとくどくなりますね。

そもそも人物に足が有るのに、台座にも脚が有ったのではくどいように思います。

脚の爪の反り返しを無くし、中に巻き込んで雲脚風に作ってあります。

この辺は鈴木さんに意図したものなのか聞いてみたかったですねぇ・・・

 

添え草は庭に繁茂するヒトツバをイメージしてみました。

 

この僧侶は見るからに徳を積まれた高僧のように見受けられますので、

本来なら墨蹟の御軸を掛けたいところですが、

持ち合わせが有りませんのでこの様な飾りとなりました。

 

色々と床の間について勉強中ですので

知識を深めて

より一層琴線に触れる室礼が出来るよう心掛けたいです。