さてさて、公共工事に携わっている亮としては、
年度末にて忙しく過ごしております。
忙しい中でも、教材など仕入れて
少しずつ勉強しております。
水石趣味の究極は、何と言っても床飾りにあると私は思っておりますので、
基本となる茶道の飾りも勉強し始めました。
俄然、水盤についても知識を深めたいと思いまして
村田圭司先生のバイブル的教科書も入手しました。
外箱入りの本は泣く子も黙る『景道片山流教本』です。
これにて基本中の基本から徹底的に勉強し直します。
教材以外に己の審美眼を高める方法としては、
現在において日本の最高レベルの展示会を見学することが近道であると思います。
去る16日の日曜日に東京まで出掛けましてじっくりと見学して参りました。
国風も水石展も写真撮影は自由なのですが、
朝の7時に家を出て、昼飯抜きで会場を回り、グリーンクラブまで回って
家に帰ったのは日が落ちてからでした。
写真まで撮ってたら泊まり込みじゃなければ無理だワイ
第7回日本の水石展においては、諸道具に目がいってしまい
卓の名器、掛軸等に見入ってしまいました。
特に水盤については、『小倉焼呑兵』をはじめ、『植松陶翠』 『加藤九輪』 『神谷一陽』 などの
名器を間近に観賞出来まして、感動の極みでありました。
私も、縁あって今年の初めに中国水盤と出会う事が出来ました。
『中渡海鼠長方外縁角入下紐水盤』
中渡とは輸入年代(製作年代)のことで、明治中期から大正期にかけての3~40年の間の物を指すようです。前述、村田先生の著書からの解釈ですので、現在においては捉え方のズレはあるかもしれません。いずれにしても100年以上前に焼かれた水盤であることは間違いなさそうです。
この、赤身をおびた土色が中国水盤らしい特徴と言えるかもしれません。
『萬寶順記』バンポウジュンキの落款が見て取れます。
海鼠とは釉薬の事で、長方は文字通り全体の形を現し、
外縁とは上側の張り出した縁取りを現し、角入は四方の角に施されたデザインを現します。
ここまで書けば想像もつくと思いますが、下紐は胴体下回りに施された縁を現します。
この時代の中国水盤としては、ボッテリとした玉縁の作りが多く、水石を飾るには
よほど景色の派手やかな力の強い石でないと飾り映えがしません。
この水盤にしても、外縁下紐と中々に凝った造りの水盤なのですが、
全体的な印象としてはスッキリと纏まりの有るデザインなので使い勝手は良いのではないかと思われます。
実用水盤をこの様にして飾り眺めるのもナンセンスかもしれませんが、
あまりにも海鼠の釉薬が美しくて、ついつい嬉しくなって毎日眺めております。
まるで夜空に浮かぶ天の川の様です。
いっそのこと『天の川』と銘打ちましょうか(笑
最後はオマケの画像で『大久保馬蹄石』です。
我家にも幾つか大久保の馬蹄石はあるのですが、未だ探石に出掛けたことは有りません。
是非一度、現地を探石したいものです。