米吉さん  :「おはようございまーす」

                     いつも一番乗り、70代のつわ者です。

福さん   :「おはようさん、おっ、今日も元気だね」

                     二番手は男性にしてクラフトの達人。

   🌷福さんオリジナル🌷

米吉さん  :「朝から父ちゃんと喧嘩したけど血圧は上等だったさー」

福さん   :「大丈夫↗」 (・・?)

米吉さん  :「だから大丈夫ってば」

福さん   :「違うっ 父ちゃんのほう」

 そんなオープニングトークが繰り広げられている間に、

続々とボランティアルームへメンバーさんがやってきました。

今日は欠席もなく皆さん勢ぞろいです。

“ご無事で何より” ほっとする瞬間です。

おやっ、若い女性も入室してきました。

一同     :「おはよう、あっちゃん」 メンバーさんが一斉にコール。

あっちゃん:「おはよう…ございます」 精一杯のご挨拶です。

 

 ここは町の社会福祉協議会(社協)、今日はクラフトボランティア活動日です。

ハンドクラフトを学びながら、様々なイベントへ作品を出品しています。

井上先生 :「今日は、これっ フクロウのお守りを作ります」

       先生がお手本を高々と掲げます。

      「かわいいー‼ 難しそう、できるかなー⁉」

       みなさん毎回新作を前に発するフレーズです。

井上先生 :「大丈夫、キッドにしてあるから手順通りに組み立てるだけですよ」

         イベントを前に、みなさんの士気も高まっているようです。

 

作業中の雑談が、これまたファニー&シュールです。

米吉さん  :「このフクロウ、もう7個くらい作ったよ」

上野さん  :「じゃー今日は米吉さんの隣に座ろう、頼りにしてます」

米吉さん  :「これはね、赤を繋いでから青…あれっ 緑だったかな⁉」

        頼みますよー。

そんなやり取りを横目で見ながらあっちゃんがくすっと笑ってます。

あっちゃんはコミュニケーションが上手くできないのですが手先は器用です。

どうやら居心地がいいようで、黙々と作業に没頭してます。

米吉さん  :「このかごかわいい、顔はねこちゃんだね」

上野さん  :「あはっ、虎です」 おーっ ちょっと気まずい。

米吉さん  :「虎だったの、言われたらそうも見えるね」

        フォローになっていませんよ。

福さん   :「こればっかりは、好みだから」

        あっ いや個性というべきでは…。

山田さん  :「これ孫にあげようと思って…ほら学生鞄にたくさん下げてるでしょ」

米吉さん  :「私もそう思って渡そうとした事あるわけさ、そしたら “無理っ” って」

        それ今言っちゃだめです。

井上先生  :「流行りのキャラクターじゃないと嫌って感じでしょ」

米吉さん  :「それ・それよ、キャラクターって動物じゃないとだめって」

        あっちゃん、大爆笑 (´▽`*)

 

 

   メンバーさんも様々です。

  米吉さん、実は民生委員さん、はっちゃけてばかりじゃないんですよ。

  あっちゃんはひきこもりがち、ここで隠れた才能が開花しました。

  あっ それから不器用だからあえて挑戦とか、脳トレなんて方も…。

  皆さん共通の動機は、

 「誰かの喜ぶ顔が見たい、達成感を得たい」 だそうです。

 

  ボランティア活動というと、何だか敷居が高いイメージでしょ。

『その理念は…』 なんて理屈は一先ず棚にあげておきましょう。

  ここは彼らの居場所でもあり、“社会貢献” の場でもあるのです。

  現役を引退しても尚、社会性を発揮できる唯一の場所かもしれません。

  あなたも思い切って、我が町のボランティア活動、参加してみませんか。