時を巻き戻している

2023年5月20日

朝から息子と一緒に実家へ向かった

母のお通夜は
午後6時からだったので
午前中は掃除をしながら
母の棺に入れる物を
兄妹で話し合い用意した

母の棺には

◯妹がプレゼントしたという洋服

◯父が生前母に贈って大切にしていた手袋

◯皆で書いた寄せ書き

◯作るのが間に合わなかった千羽鶴
(千羽もない)

◯母が好きだったクロスワードパズル
(兄が買って来たけど具合が悪くて
 出来ないままになってしまった)

◯母をダメな人間に変えた
 タバコも入れることにした

出来れば、タバコは火を付けて
口にくわえさせてやりたかった

でも
非難されそうだから止めた


4時頃、葬儀屋さんが
母を迎えに来て、家の前で母を見送り

わたし達もすぐに車で
葬儀場へと向かった

葬儀場に着いてから
納棺師の人に言われる通りに
皆で母の納棺を見守り
少しだけお手伝いさせて貰えた

おりんの音を
止めないで鳴らすようにと
言われたけれど
兄は何回もおりんの棒を滑って落とした

だから、皆でおりんをまわして
代わり番こに鳴らすことにした


身体を拭いてもらい
顔を剃ってもらい
髪を洗ってもらい
足を洗ってもらい
死装束に着替えていく


息子は母の足に水をかけ
わたしは足袋を履かせた

病院ではずっと
寝たきりになってしまっていたので
母の細い髪の毛は絡んでしまい
櫛が通らなかった
仕方なく絡んだ毛先は後ろに隠した


「お化粧はどんな感じにしますか?」
と聞かれた。

妹は困ってわたしを見た

母は元々薄化粧だったから
ファンデーションは薄めに

眉毛の形はわたしの携帯から
写真を見せて描いてもらった

母はアイシャドウは好きだったので
薄く青色系を入れてもらい

口紅はいつものオレンジ系にした

頬紅はいつも入れないから
しなかった


口がちょっと開いているのが
気になった

エジプトのファラオみたいな
支え棒をどうするか迷って
最後まで拘束されて
かわいそうだったから
と、兄と話し合い外して貰った

時間になると
母の親戚が集まった

家族葬なので
わたし達含めても11人だった

その中の叔母は母と折り合いが悪く
わたしとも
10年以上会っていなかった

叔母はわたしを見るなり
「あんた、その髪」と言ってきた

「あ〜、わたし乳がんになっちゃって
抗がん剤で髪の毛抜けちゃったから
カツラなんです」
と言った

こういう説明は
本当に面倒くさくて
わたしは嫌いだ


叔母は昔から母と折り合いが悪く
絶縁状態が続いていたが
母の入院を知らせると
お見舞いに来てくれていた

叔母は謎の仕事をしている人で
耳つぼとかエステ系の
色々な資格を取っている

今は音波で病気を治すとかいう
お店をしていた

遠くからでも相手に気を送ることが
出来るといい
母にも気を送ったけど
ダメだったねと言った

わたしは叔母さんの気は届いて
母に効いたと思うと言った

母さんは入院してまもなく
痛みを全然訴えなくなった

わたしは不思議に思っていたけれど
叔母さんの気が治してくれたんだと
今分かったと言って
驚いてみせた


本当はどうか
分からないけどね


母の事が全部片付いた頃

この叔母に
あんたの肩を治してあげるから
家に来いと言われた

わたしはこの3ヶ月前から
右肩が痛くて
実家の掃除で悪化させて
ものすごく肩が病んでいた

病院には行ってないけど
たぶん俗に言われる40肩だろう

通夜の会場に泊まった時にも
クッションを持って来て
右腕の下にクッションを入れないと
痛くて眠れなかった


そんな肩が
叔母に音波を当てて貰ったら

治った


関節の可動域が
元通りになるまでは
時間はかかったけれど

痛み止めの湿布は翌日から
いらなくなって

2日後には腕を振って歩いていた!


なんか
分からないけど


本当に効いた!


つづく