時を巻き戻している


2023年5月18日


残業1時間でなんとか1週間分の仕事を

片付けた。


事務長のところへ行くと

びっくりされた。


わたしがもう帰っていると

思っていたらしい。


帰宅途中にも妹から連絡が来た。


お母さんの法名はどうするか?

文字数はどうするか?


いい歳をして

本当に何も決められないのだ。


帰宅すると帰る途中で

予約したタクシーが

ちょうど着いたところだった。


急いで支度をして息子を連れて

実家へ向かった。


実家に着いても

家が汚くて落ち着いていられなかった。


明日からも葬儀屋さんや

親戚、お坊さん、色々な人が

出入りするから

掃除の続きをしないといけない。


その他にも、供物、供花、料理などを

決めるのに、パンフレットを見たりした。


母は亡くなる前に

家族葬にして欲しいと

希望を言っていたので家族葬で


プランは1番安いのは

お花が少なくて寂しいと妹が言い

真ん中のプランに決めた。


母はまるで眠っているように

安らかな顔だったけれど

酸素マスクをしていたせいか

口が少し開いていて口を閉めるためだろう

顎に棒が支えていた。



それを見て


母さん

まるで


エジプトのファラオみたいじゃないか。


と、心の中だけで思った。

涙はなかったと思う。


この日は妹に車を借りて

息子と自分の家に帰った。


つづく