時を巻き戻している


2023年5月17日


平日、わたしと妹は仕事があり

面会には行かれなかったが

兄とおばさんは毎日行ってくれていた。


母の様子は

毎日妹からメールで聞いていた。


この日、兄が面会に行くと

母はベットの柵に縛り付けられた

両手をガンガンとぶつけて暴れていたそうだ。


最近落ち着いていたのに

せん妄の状態で

「殺される!警察を呼んで!○○○(わたしの名前)が狙われているから知らせろ!」

と言ったそうだ。


わたしは妹に

たぶん、たまに発作のように暴れて

母さんが危険だから拘束して

落ちない様にベットの柵も4点柵にしたんだ

ろうから、そこは理解しようね。

と言った。


わたしが狙われていると

言ったことについては


たぶん、わたしが癌になったから

死ぬと思ってて、不安からそういう風に

なってると思うから、わたしならもう

治ってるから大丈夫だと言ってやって。

と言った。


この日、兄は母さんに

ヨーグルトとゼリーと栄養ドリンクゼリーを

食べさせて、全部完食したといった。

お茶のペットボトルも半分飲んだそうだ。


わたしは妹に

死が近い人間は、食欲がなくなって

食べられなくなる。覚醒が悪くなって

眠りがちになる。

母さんは頑張っているね。

すごいね!

母さんは大丈夫!まだ死なないよ!

と言った。


デブの看護師は

この日もいたらしいが

何も言わず


兄は面会15分のところ

1時間半いてあげた。


母さんは寂しがりで

依存するタイプだったし

ひとりで生活したこともなかった。

いつまでも子離れ出来ない親だった。


そして、3人兄妹の中では特に

兄のことが大好きだった。

大人になっても、ずっと自慢の兄だった。

だから、兄が毎日会いに行ってくれて

本当に良かった。


わたしひとりじゃなくて

本当に良かった。


妹は、医者にはあと数日って言われたけれど

そんなの信じない!

と言っていた。


前日は

こんな感じで

食欲はあって

血中酸素も血圧も脈拍も

安定していたんだ。


だけど、もう

肺がだめだったんだね。


もう少し

生きていて欲しかったな。


つづく