時を巻き戻している

母の面会の後は実家へ戻る前に
買い物をした。

前日の夜、息子と話し合い
実家の猫を一匹保護することに決めていた。

兄は14匹いても渋っていた。
多頭飼育崩壊しかけていても
可愛がっているのだ。

だから猫のトイレやご飯を先に購入して
どうしても貰うよって状況を作り上げた。
(兄には悪いけども)

それから妹にハエ取りリボンを買わせた。
家の中のハエがすごかったからだ!

玄関や窓を開け放しても
全然減らない!!

殺虫剤はペットがいて使えなかったので
昔ながらのハエ取りリボンにした。

実家に戻ると掃除の続きをした。
玄関の続きは一回おいといて
次に手を付けたのは
居間の食卓テーブル

テーブルの上にも物が積み重なり
なぜかものすごい数のハエが
ブンブンたかっていた。

上から順番に取り除いていくと
理由が分かった。

食べかけのお菓子

タッパーに入ったなにか
タッパーに入ったなにか

食べかけのなにか

タッパーに入ったなにか

お皿の上の飴

タッパーの中のなにかは全部
腐ってカビが生えていた。

これは、妹に手伝わせ全部捨てさせた。

ついでに母の灰皿やタバコ
大量のライター類も片付けさせた。
タバコはもう吸わせない
目に着くと吸いたくなるから
全部捨てなさい。
(もう吸う人はいなくなると
  分かっているけれどそう言った)

全部捨てるのが嫌なら
ひとつだけ残して
母さんの見えないところに
しまうように言った。

物を片付けてやっと
テーブルが見えてきた。

この日の掃除はここまでにして
妹にテーブルの上はキッチンハイターを
薄めて拭いておくようにいった。

兄にはその間に
猫のトイレを洗わせておいた。
トイレの砂はうんちは取っていたが
(そのうんちも袋にいれたまんまで
家の中にためておいているからすごく臭い)
おしっこで固まった砂は取りかえずに
固まってコンクリートみたいになっていた。

目がしみるほどの
アンモニア臭の原因はこれだ。

兄は面倒くさがったが
じゃあわたしがやるかい?というと
ため息をつきながら砂を捨て
お風呂に持って行ってトイレを洗った。

うーわっ!っと思ったが
わたしの家じゃないから
やりたいようにやって貰った。

わたしがもらう猫は
選びたくなかった。
どの子をもらっても
わたしは絶対に仲良くなれる自信と
幸せにする自信があったからだ。
そして悩んだ末に兄が選んだ子は

実家生まれの10ヶ月の女の子で

詩(うた)という名前は
母が付けた。

つづく