東北の主要大型店のことしの初売りは、前年比でおおむね1~2割の売り上げ増となったことが5日、各店への聞き取りで分かった。復興需要を受けた東日本大震災後の好調さが新年にも引き継がれた形で、福袋などの販売も好調だった。各店とも「この勢いを保ちたい」と期待する。 ただ、福島県内では来店者数が昨年を下回った百貨店もあり、福島第1原発事故の影響による帰省客の減少を指摘する声も上がった。 仙台三越は売上高13%増、来店者15%増で、目玉の太陽光発電システム付き住宅福袋(3254万円)には6件の応募があった。同社は「3世代の家族連れが目立った。家族の絆が見直されたためではないか」とみる。 藤崎は売上高10%増となり、約3万5000個の福袋が完売した。さくら野百貨店仙台店も売上高9%増、来店者12%増だったという。 宮城以外では川徳(盛岡市)の売上高が14%増だった。売り上げ全額を被災地支援事業に寄付する「チャリティー宝箱」は14品全てが売れ、百数十万円を寄付できる見込みとなった。 日本海側の百貨店の売上高も前年を上回り、西武秋田店(秋田市)は約10%増。大沼(山形市)は6%増で「初売り客の仙台流出に歯止めがかかってきた」と歓迎する。 原発事故の影響が続く福島県内では、うすい百貨店(郡山市)の来店者が14%減った。まとめ買いが目立ったため売上高は14%増と伸びたものの「手放しでは喜べない」と語る。 このほか、仙台市内の仙台パルコ(青葉区)や仙台泉プレミアム・アウトレット(泉区)はいずれも売上高が20%近く増えたという。 家電量販店では、ケーズデンキを展開するデンコードー(名取市)が岩手、宮城、福島の被災3県で売上高が約2割増。ヨドバシカメラマルチメディア仙台(宮城野区)も「3月の地上デジタル放送完全移行を前に、薄型テレビが良く売れた」と話す。
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