お笑いが嫌いでお笑いを始める | IKKANのオフィシャルブログ「IKKANのKAIJIN MANIA」Powered by Ameba

お笑いが嫌いでお笑いを始める




とにかく変わったコントを作ろう。
人数もいることだし、コンビとかトリオでは出来ないコントはたくさん作れる。

俺がお笑いを始めた頃は
スーパーボキャブラ天国という番組があった。
ものすごい人気で、
お笑いを始めたばかりの俺は
テレビに出ているわけでもないのに
ライブではとっても人気があった
すべてボキャ天のおかげだ。
ジャニーズJr.とかに飽きてきた中高生が
こぞってお笑いライブに足を運ぶようになってきた。

俺は、ボキャ天があまり好きじゃなかった。
元々お笑い番組が苦手で
ドリフも好きじゃなかったし、
ひょうきん族も好きじゃなかった。

いじめみたいなコントが
卑屈で教室の片隅でいじいじしている俺には
とっても刺々しいものに見えていた。

テレビに出ているお笑い芸人がみんな
クラスにいる苦手な人たちに見えた。
だからお笑い番組は自分にとっては
心が痛くなるコンプレックスを逆なでする事象でしかなかた。

演劇のコメディは楽しかった。
そこにいるすべての人たちは、ふざけていない。
ふざける芸が嫌いだ。
だから、ひょうきんな人は嫌いだ。
ひょうきんな人は、きっと俺みたいなおとなしい人間を差別する。
そう思うと、ひょうきん族は、怖くて怖くてたまらなかった。

東京に出てきて
新井祥と出会い
モンティパイソンを知った。
小劇団で、変わった笑いをたくさん見た。
特に心に残ったのは、
劇団健康。
ケラリーノ・サンドロヴィッチさんの作る笑いだ。
笑いって面白いんだなって思った。

状況がおもしろい笑いが好きだ。
そこに存在するすべての人が一生懸命で。
全員が被害者で
加害者が存在しない。
これなら俺のコンプレックスを逆なですることはない。
悪気のない笑い。
俺は、これが好きだった。

怪人社として作るコントはこうありたい。

だから、オーソドックスな設定の中で笑いを作りたくない。

悪ふざけの
みすぼらしいお笑いが好きじゃない。

格好いいやつらの
格好いい笑いを見ていたい。
そういうものにお金を払いたい。

オフィス★怪人社ライブに出ている人たちは格好いい。
格好いい人にオファーしたいし。
そういう格好いいやつを育てたい。

新井祥が昔所属していた劇団
『げんこつ団』
この劇団に出会ってから
格好いい笑いが大好きになった。

自分を刺し殺せない笑いは
ただの悪態だ。

『新井祥』
『げんこつ団』
『劇団健康』

この人たちのおかげで、俺がいる。