ホワイトシアター 詳細 | IKKANのオフィシャルブログ「IKKANのKAIJIN MANIA」Powered by Ameba

ホワイトシアター 詳細

そうか、mixiやブログの感想をちらほらと見学させて頂いて、いまさら気付きました。
ホワイトシアターの公演って、パンフレット無かったんですね。
やっぱし、オープニングで役者名だけじゃなくて、役名も入れておけば良かった。
今回はチャリティ公演で、制作的なことはいつもと舞台制作作業とはちょっと違うんだと。

事前に知っていれば、ちゃんと色々と本番中の映像に表記するとか手を考えられたんですが、すみません。

そんな訳で・・・

●WPC チャリティ公演
『ホワイトシアター chapter.1』

[脚本]
杉田鮎味(劇団25.26団)

[演出]
IKKAN(オフィス★怪人社)

[振付]
森新吾(DIAMOND☆DOGS)

[キャスト]
奥山 章兵(映画監督・康介の兄 本名・菊池康兵)林修司 <ルドビコ★>
菊池 康介(17歳 高校生・町長の息子)小原拓真
富川  健(17歳 高校生・漁師の息子)奥野瑛太<赤堤ビンケ>
森本  渉(17歳 高校生)野田裕貴
長谷川咲希(章兵・康介の幼馴染み)加藤ちえり
石井みず穂(17歳 高校生)いながわかおり
浅沼 千尋(15歳 中学生)黒田早菜苗
黒木 七海(女優 映画監督・黒木惣太郎と女優・宝田節子の娘)細野今日子<劇団競泳水着>
古賀ちゃん(章兵の助手)小多田直樹<演劇集団キャラメルボックス>
桜井 織江(映画プロデューサー)北ひとみ
矢田部雅秋(漁業協同組合 組合長)柿田パリス<東京パリ帝国>
矢田部芽衣(雅秋の妻、ホワイトシアター管理人)森永多恵子

[声のみの出演]
白崎 章兵(「白い島から」映画監督 既に他界)西川浩幸<演劇集団キャラメルボックス>
オープニングナレーション 奥寺健<フジテレビアナウンサー>

[日替わりゲスト]
斉藤 舞子(金曜日)フジテレビアナウンサー
生野 陽子(土曜日)フジテレビアナウンサー
加藤 綾子(日曜日)フジテレビアナウンサー




今回は、林修司君と、小多田直樹くん以外の[キャスト]は、オーディションで決まったフリーの役者や学生さんたちでした。オーディションは2回あって、11月は参加したんですが、12月は参加できず。稽古初日までどんなキャストがくるのか知らないような状態でした。修ちゃん以外は、初めて。どんな演技をするのかな?と。

昨年、演出のオファーをいただいた時点で、プロデューサーからは「今回の目的はもちろんチャリティであるということもそうなんですが、新しい素質を『育てる』というところでもあります」と。「キャストはほぼ素人ばかりなので、IKKANさんにはその辺もお願いします!」と、熱く語られました。

初舞台もいるし、1ヶ月しかないし、だいぶしんどい作業になるかもなとは思いましたが、それでも、何人かは小劇場で舞台経験も何回かあるようだし、さあどんな感じかな?なんて思ってました。「育てる」わけですから、つまりプロの現場にきたときに、ある程度の知識や最低限の技術を持たせなきゃいけないわけで。

そんで、2月に初めて読み合わせをしたときに、正直に言うと「え?こんなに役者全体のレベルが低いんだ・・・」って思いました。いや、それでもメッチャ小さな劇場で1500円くらいでやるなら、こういう劇団あるかも?って思いましたが、今回の会場はフジテレビ。FNSチャリティと銘打ってある。見に来たお客さんが、「こんな旗揚げしたばかりの学生劇団、無料でやれよ」って言いかねない。ひゃあああ、って。思ったのは本気で事実です。

で、オフィス★怪人社だって初舞台の人間入れたりしますが、ほとんど全員ってのはありえない。初舞台は1人か2人でじゅうぶん。それだって、アンサンブルとしてお勉強させたりするわけで。それを台詞たくさんある役で使って、2500円取るわけですから。いくら見に来ることがチャリティとはいえ、お客さんにとっては作品を見に来るわけであって。ひえええ。わあああ。って思いました。



台詞のアクセントを直そう。
右に移動するときは、足をこうやって動かそう。
心を動かして演技をしよう。
笑顔というのは、顔のここの筋肉を使うんだよ。
目を開けてしゃべろう。
まばたきせずしゃべろう。
手がふらふらしているから気をつけて。
姿勢を正しく。
大きな声を出して。
息を吸ってしゃべろう。
てきぱきうごいてみよう。
滑舌をよくしよう。
舌をこうやって動かせばその音が出るよ。



ワタナベエンターテインメントカレッヂで今、講師をしていますが、ほんとにそれと同じように初心者に教えるようなことをどんどんやっていきました。しかし1ヶ月って!学校なら1年~2年かけてやるのに!

ダンスをするときに、歌詞も覚えて踊ろうというオーダーをしていました。2週間かけて、誰一人として1曲も覚えてこなかったこと気はさすがに呆れて怒りました。「これからは君たちを一人前の役者としては認めないで稽古をしていきます。

初舞台の人間もそうですが、いくつか舞台を経験してきた小劇団の俳優たちも気持ちが緩いんだなと感じた日でした。プロフェッショナルの現場で、台詞を覚えず現場にいたら、収録できないじゃないですか。覚えてきてと言ったら、翌日には丸暗記だと、ちょっとはうろ覚えだとしても覚えてくるのがプロじゃないですか。それもきちんと稽古のはじめに「覚えてきてください」とヒントまで出している。実際の現場なら覚えてくることは当たり前なので、そんな丁寧なこと言わないですもん。

そんなしんどい現場でしたが、プロデューサーには「育ててほしい」と言われましたから。
でもせめて、フジテレビ・FNSが主催としてせめて恥ずかしくない形には仕上げなければ。
そこからは、モチベーションの高い役者とは向き合い、低い人間はせめて最低限の恥ずかしくない形にすることだけを目標としよう。

自分のプライベートの時間も割いて稽古もしました。あまりにも技術的に厳しい役者が何人も居て、稽古場の稽古だけでは絶対間に合わない。と。しかし、正式な稽古時間以外の時間はプライベートを優先させたい人間も何人か居て、そういう人にはチャンスは二度とあげないようにしました。そこで差をつけました。一度断った人間にはチャンスはあげないことにしました。それが現場だから。それもお勉強だと思う。

何人かは食いつき、何人かは見捨てました。「見捨てた」って言い方が悪いですが、もちろん最低限の仕上がりにはしました。でも、もっともっと良くなったとは思います。しかし、1ヶ月という限られた時間内。何年もかけて育てなければいけない面々。優先順位をつけないと、恥ずかしい思いをするのはFNS。企画倒れになれば、今後に繋がっていくという、もう一つのチャンスすら二度と訪れない。

そのことはラストスパート時点の稽古で、プロデューサーには方針として伝えました。「それでよろしくお願いします」と。俺の一存では決めないようにしようと思いました。

今回の稽古は、キャストもスタッフもみんな初心者が多く、現場では色々教え続けました。ストレスで疲労困憊になりましたが、それでも見に来てくださるお客様のため、ただ単に作品を作る!だけではなく、色々原点に戻って頑張った公演でした。

だから、自分的には高校演劇時代の青春を感じる、そんな一ヶ月でした。いや、脚本打合せも入れたら約2ヶ月か。なんか久々に思い出しました。青春の現場。


今回のチャリティ公演の意図を知り、テーマソングを探し続け。
「いきものがかり」さんをピックアップさせていただきました。

オープニング「青春ライン」
嵐のオーディション「花は桜 君は美し」
エンディング「心の花を咲かせよう」

選曲にはいろいろな思いを込めました。
ストーリーのこと、今回の公演のこと。
歌詞と見つめ合い、この3曲を使わせていただきました。

いきものがかりさん、素晴らしい曲をありがとう。




さて、アンケートは僕は見ていないのですが、プロデューサー3人に聞いた話では、やはり多かったのは「次が気になる!」だったようで。
これは一応何も決まってないのですが、chapter.1ですから。もちろん続編、続々編の事を見越してます。俺と杉田さんで打合せした話で、第一話は「兄弟の絆の復活」をテーマに。映画やドラマと同じく、次の話が気になるように作ろうと思って。伏線を張ったまま次のchapter.2に持ち越すという。なんともじれったい手法です。
見に来てくださった知り合いにも「次の話はどうなるの?次もみたい!」と言われ、「おお。やはり気になるよな」と思いました。良かった良かった。




さて、何か語るべきことがあるとしたら、次はなんですかね?
ストーリー?
さあ、取り急ぎ、本日のところは。



したっけ!