角柱の体積の求め方、どう解いていますか??
小学校と公立中高一貫や私国立対策で微妙に異なるのでご紹介
これを授業で行うと、ほとんどの生徒が大きな立方体をイメージして、その全体の体積からへこんでいる部分の体積を引いて答えを求めます。
または、
あまり多くありませんが、この立体を2つの直方体に分けてそれぞれ求めて足すという生徒もいます。
両方間違っていません。
正解です。
学校でもそう習うと言っていました。
では、ちょっと視点を変えてみましょう。
直方体や円柱、三角柱などの柱の体積の求め方は、基本の基本ですね。
直方体は、縦(奥行)×横×高さ
円柱は、半径×半径×3.14×高さ
三角柱は、底辺×底面の高さ÷2×三角柱の高さ
と、教科書や塾の問題集には書いてあります。
では、この3つの公式を一つにまとめてみましょう。
そうすると、
角柱の体積=底面積×高さ
という言葉でまとめられます。
底面積・・・この言葉は、柱の体積を習うときに、教えてもらいます。
なので、柱の体積は、「ある平面がまっすぐ上に伸びている」イメージで解くことになります。
では、このイメージを、先ほどの問題に当てはめてみましょう。
ほぼ全員の生徒は、底面積を底の部分の長方形にしています。
「下が底面だから、あたりまえだよ先生・・・」よく言われました。
ですが、その長方形はまっすぐ上には伸びていません。途中で欠けてしまいます。
では、まっすぐに伸びている平面はどこかというと、側面のL字部分になります。
ここを底面にすると、まっすぐ伸びている立体であるということが理解ができます。
なので、この問題では、底面を側面のL字部分にして、高さを奥行にして解くことが
柱の体積の基本問題としてこの問題を解くことができるのです。
では、なぜこんな説明をするのか・・・
実は、中高一貫ではたまーに出るくらいですが、私国立ではL字の部分を底面積にする問題は頻出なんです。
この立体に水を途中まで入れて、L字部分を下にしたとき水かさは何cmになるかという問題で出てきます。
こういう問題は、大体小問3問構成で、(1)はこの立体の体積(2)立体に水を入れたときの深さや水の体積(3)L字部分を下にしたときの水のかさは何cmというように続きます。
(1)でL字部分を底面積にして解いておけば、(3)で時間を稼ぐことができるのです。考える式が1つ減りますから・・・。
中高一貫校ではあまり見られないですが、問題全体を見通してどう解くのか、考えることは大切だと思います。
ちなみに今のような問題で(1)をL字部分を底面積にして求める解説をしている塾用問題集は、残念ながら見たことがありません。なので、教わる問題だということなんですね。
「1を聞いて10を知るという」とか「考える力」とは、こういうことを言うのではないでしょうか。
自分でこういう考え方をしたいと思ったら、基本の考え方を貫くことです。
そういう視点で、解説を読んでみてください。