公立中高一貫校の作文指導は、教室の中で指導をするとどうしても画一的な教え方になってしまい、最終的に論文になってしまうことがよくあります。
また、子供たちに書き直しをさせると、授業担当が伝達したことを丸ごとまとめたりして、子供の個性が表れない文章が出来上がってしまい、これは先生の文章だよ、となることがあります。
では、どのような方法・手法をもってして実践していかなければならないのでしょうか。
授業担当は、とにかくべらべらしゃべらないことですね。私はそれでも良くしゃべりますが・・・。課題文にある知識的なものや歴史的背景など、なぜこれがきかれているかくらいにとどめるべきです。
中身に関しては、子供たちに自分で考えさせること・・・。になります。
でも、そしたら先生がいる意味ってあるの?という疑問がすぐに生まれます。
おそらく、究極的には、生徒に書かせている段階では、そこにいる意味はないのでしょう(笑)
しかし、授業担当にしかできない指導が教室の中にあります。
それは、作文を書いている生徒の顔や表情、どこで困っているのか、どんなことを書きたいのか、または生徒のつまづき箇所をみることができます。そのような生徒の取り組み姿勢を踏まえて、さっきこの辺で書きにくそうだったね。どうしたのかな?と聞くことで生徒の声をすぐに聞くとができます。スムーズに書いている生徒なら、今回のは書きやすかったみたいだね。とほめてあげて、細かい部分の添削を行うことができたりします。
作文の添削については、正直一番神経を使います。
ただ、私が真っ先に添削せずに返却する答案は、マスを埋める、行を埋めるだけの書き方をしている生徒です。これは添削しても仕方がないので、書きにくそうだったねといいつつ生徒の話を聞くようにしています。そこで、どんな掘り下げをすれば良いのかを一緒に考えることをしていきます。
それを除けば
設問が求めているものと内容があっているか、文の構成や係り受け、文にねじれがないかなど見ていき、最後に誤字脱字や字のチェックを行います。表現の仕方なども見ますね。
その上で一番大切なのは、繰り返しになりますが、
指導者の文にしないということです。
あくまでも生徒の文章として添削しなければなりません。
なので、生徒ごとにどうやったら上手になるのかが一人一人によって異なりますし、画一的な指導法は存在しないと考えています。もちろん、ある程度こうしようというのはありますが。
ポイントとしては、
はじめ、生徒の力量をしっかりと把握するということです。
たとえば、語彙については、どんなことばを使っているのかという点です。普段あまり生徒個人が使わないような言葉はむりに使わせないようにしています。無理にに使わせると、とんでもない文章が出来上がることがよくあります。何を言いたいのかさっぱりわからなくなりますから。なので、生徒によってどんな言葉を普段使っているかが、どんな指導をしようかとする分かれ目となります。
この生徒はどんな書き方をするのかを、指導者が見ることでその生徒の特長を把握します。それに対して、どんな表現をしたらしっかりと伝わるのか、を考えていくことになるというわけです。
そうすると、生徒ごとに自分たちの生きた言葉のまま、それを生かして添削することができると考えています。
なかなか思ったことを表現したり、文章にできない生徒もいます。
そういった生徒には、はじめ何を思ったかを箇条書きで列挙させます。私はよくツイートしてごらん、と言っていますが、そういうところから初めてみるのも一つの手だと思います。ある程度キーワードになりそうなくらい書くことができたら、それを文章にしてみようということです。最初はそれでもなかなか文章にできませんが、何か月かやっていくうちにいつの間にか書くことができていることがおおいように感じています。
ほかにもいろんなやり方があると思いますが、大切なのは、生徒の個性をどう活かすということだと思います。