鎌倉殿の13人で大竹しのぶさんが扮する歩き巫女。
彼女が登場する以前から、私が心の中で歩き巫女た呼んでいるお婆さまがいる。
朝、犬の散歩に出ると向こうから歩いてくる。そのあとウォーキングに私が出かけるとまた、出会う。
買い物に行く途中でも会う。夕方の散歩でも出会う。
とにかく一日中歩いている。
とても小さなお婆さま。歳の頃なら80も半ばとは思うが年齢不詳の雰囲気がある。
冬はねるのパジャマの上に煮しめたようなジャンパーを着て、かなり暑い季節でもそのジャンパーは脱がない。右手に杖、晴れても、降っても、左手には傘。くたびれたリュックを背負い、片方の手には何やら得体の知れないものが入ったコンビニの袋をぶら下げている。大きすぎるつばつきの帽子の下にはまるで干し柿のような小さくて縮んだ日焼けした顔。口元は歯がないのかくしゃっとしている。
そのあゆみはヨタヨタとして時速およそ2キロ行くかいかないか。
でもほとんど休みは取らずに歩きつづける。
言ってしまえば、世のママさんたちが小声で「見るんじゃありません。」と、子供に言いそうな風情だ。
一体、この歩き巫女は1日どれだけ歩いているのだろう。
一見、その身なりや行動からして認知症かもとも思えるが、私の事はしっかりと覚えていて手を振って挨拶をしてくれる。
話しをする人がいなくて寂しいんじゃないかと思うから。
私も出来るだけ言葉をかけるようにはしている。
どう見ても家人はいなさそうだから。
ところがどっこい、歩き巫女は意外と知り合いが多い。
今朝は私と話している脇を3〜4人が次々に歩き巫女に声をかけたり手を振ったりして通り過ぎて行った。
干し柿のような顔に浮かぶ歩き巫女の笑顔はとても人懐っこい。
ちょっとホッとした。
お家にいるより体力がある限り歩いていた方がいい。
とにかく一日中歩いて回る。
あら?
それを知っている私も歩き巫女。
最近顎に肘がつかんのじゃ。
(鎌倉殿を見てる人しかわからないね)
