幼いころから長男として、
家長として生きた92年の父の生涯です。
苦労の末、
ようやく当時の大学新卒並みの給与をもらえるようになったのに
時は第二次世界大戦末期に突入していく。
本来なら徴兵検査の結果、
国民兵役どまりの父も召集される。
徴兵検査は毎年4月から5頃、
地元の集会所や小学校の体育館で行われ、
検査に合格した者は翌年の
1月10日に各部隊に入隊する。
父は昭和19年12月27日付
輜重兵第52連隊 補充隊 に入隊。
12月31日
故郷の駅から金沢連隊区に向かって出立する。
二等兵、月給6円、
従軍慰安婦といわれる商売女性より
はるかに薄給だ。
この連隊区に入営する時の
偶然の出会いがまた父の命を救った。
父の入営の受付を担当した兵士が
父の町場の実家のある
隣の町出身で
お互いの地元をよく知っていることから
非常な親近感を持ち
何くれとなく配慮してくれた。
この隣町の古参兵士も
父を長生きさせてくれた
一人かもしれない。


