トレッキングイベント その2 | 絶望から這い上がった女のブログ

絶望から這い上がった女のブログ

ほんの2年前は死にたがっていた
絶望にふるえ、男を追いかけ、男に捨てられ
性欲がなくなり、でも恋はしたくて
今は孤独、ではなく、楽しい自由気ままな一人暮らしと言えるよう頑張っています

山に入る角度を見たとき

 

「陶子、今ならやめられるよ。お金は戻ってこないけど

 

こんなところのぼって、骨折でもしてごらん?どんだけ大変なことになるか」

 

と理性の陶子が言い出すレベル。

 

 

足を置く場所を決めないと危険な坂道。

 

主宰者の次に登るが、まるで追いつけない。

 

が、自信がない人は後ろにいかないでくださいと言われ2番目になった。

 

 

やばい

やばい。

 

 

超怖い。

 

たった1時間。

 

私はそう思っていた。

 

 

が、

 

恐怖の地獄の時間だった。

 

 

島では、危険な場所で手をとってくれる山岳ガイドがいた。

 

が、今日は誰一人助けてはくれない。

 

 

主宰者はマイペース。

 

正直、見た目は小宮だけど中身はスーパー。

 

たぶん怪力。運動神経鳶クラス。

 

 

超速足で歩きながら、道をふみかため、枝をどけ、倒木を谷底へなげたり、水が流れているところでは、

 

流れをせき止めている葉っぱなどをがっとどけたりしてる。

 

私が怖すぎて遅くなると

 

そういう作業をしながら振り向きもせず待っている。

 

 

私が近づく音がするとさっと行く感じ。

 

途中、川に手作りのやばめの橋があって、

 

「これ、僕がつくりました。ロープ2万円もしました」

 

よくわかってなかったけど

 

 

ここは、観光地ではなく、

 

 

誰かの所有してる山。

 

彼はその先のある地域を、その植物を育てて地域復興に手を貸すために無料で使わせてもらうことを許されている人。

 

 

一人でその植物を育てるための農作業を、こうしてイベントにして参加者とともにやっているのだ。

 

参加者はお金を払い、彼の作業を手伝う。

 

自然に触れ、英気を養う。

 

 

ほとんど人が通らないのでこうして人を集めて歩かせるだけでも必要なのだという。

 

70パーセントくらいの部分が、崖の途中で幅が50㎝くらいしかなくて、

 

落ちたら死ぬっていうレベル。

 

 

そんなところに今日はところどころ雪があって

 

もう両足すべるようなことも。

 

まじでどっちにも進めないってくらい怖い場所があって

 

つかまる場所もないし、どっちの足うごかしてもすべりそうで

 

 

誰一人助けてはくれない。

 

こっから私が落ちたらどうなるんだろう

 

ヘリも来れないし

 

救急車だってこれない。

 

 

山の中だからきっと自腹でお金を沢山払って助けてもらうのだろう。

 

転べない。

 

 

なんでこんなところに来たんだろう、お金払ってまで。

 

自分を呪う。

 

 

ぎりぎりなんとかのぼったというのに

 

 

到着地点は山登りではないので、絶景は待ってないし

 

主宰者の着きましたよ、のコメントすらない。

 

 

なんだこりゃ。

 

 

そして道中、会話ゼロ

 

4人でただ無言で登り続けたのである。

 

どんな苦行だよ。

 

 

もうとんでもない長い時間歩いた気がするのに

 

まだ時間は早く、

 

ここでお昼じゃないんかい。

 

 

主宰者が作ったまるで秘密基地のような

 

食事場所。

 

 

「食事を作るのはどうしても時間がかかるので、まずは火を起こしておきます。

 

それからまずは午前の作業に入ってもらいます。」

 

 

そうだ。

 

トレッキングイベントではなく

 

農作業イベントなのだ。水辺の。

 

真冬に。

 

雪が残っているハードな山道をのぼった先で!!!

 

 

その植物は、崖にまるで棚田のように石で作られているお濠のような場所で育てているようだ。

 

うそみたいに山の上の方まで出来ている。

 

上の方にしかその植物をまだ植えてなくて、

 

下の方の部分の手入れが今日の仕事だった。

 

 

 

もしかして

 

今日はその植物に触ることも食べることもできないの?

 

 

ウソでしょ?

 

 

 

私はこの下の方で、大きな石をどけたり落ちてきた葉っぱをよける仕事をした。

 

1時間。

 

主宰者はまるでパルクールのようにひょいひょい見えなくなるほど上の方まで行き、

 

てきぱきと手入れをする。

 

そうすると、私のいる場所まで垂れてくる水量が増えるのだ。

 

すごい。

 

上から掃除するマンションの排水溝掃除のよう。

 

 

念願のお昼ご飯。

 

 

主宰者・小宮くんが、

 

家から用意してきた野菜ときのこと豆腐を川の水で煮込み、

 

白米を飯盒で炊く。

 

 

これはおいしそう。

 

野菜ときのこと豆腐のは、調味料の入れ方を見ても、期待できた。

 

鳥ガラスープ、岩塩ゴリゴリ、胡椒、しょうゆ少々、ハーブスパイス。

 

 

ハードな登りで汗をかき、作業はあまり体を使わないので体が冷え、

 

ボロボロのカラダにスープが染み渡る。

 

ご飯は完璧。おこげができてる。

 

そして!!!

 

 

そこに、あの植物が!!

 

専用のおろし金ですりすりして

 

そこに黒ゴマをすってかけて、岩塩もたしたご飯。

 

もう

 

もう

 

これはこれは

 

 

のぼって、作業したあとのこれは

 

 

最高でしたよ。

 

まじでわかってるわ、こいつ。

 

ご飯が炊けるまでの間も、誰も話さないのよ。

 

 

男が女に話しかけるのはカッコ悪いとか思ってるのかな。

 

無口なのかな。

 

 

まじわからん

 

 

しーんとした山奥。

 

 

でもいい。

 

 

変にしゃべってすべって後悔する方がいやだわ。

 

もくもくと食べる。

 

 

「全部食べてください」

 

小宮が言う。

 

4人で全部たいらげる。

 

 

小宮はかなり急いでいるらしくちょっとテンパってる。

 

使ったお皿は家に持って帰って洗うのかと思いきや

 

 

なんと!

 

 

急流を使った食洗機のよう!

 

滝のように流れてくる場所に、

 

食器を入れる網のようなものが設置されていて、

 

そこに食器や鍋を全部ぶちこむ。

 

 

お湯を沸かしてたから、コーヒーが飲めるのか、と期待したが

 

「珈琲とかはありませんがお湯を飲む人、飲んでください」

 

とのこと。

 

観光じゃないなぁ

 

 

でもきっとごみを極力出したくないんだろうな。

 

お湯、美味しかった!

 

 

「ここのお水美味しいんですよ」

 

というだけある。

 

そして、食べ終わると

 

午後の部。

 

今度は2時間作業。

 

小宮はあちこち飛び回り作業をしていた。

 

すごすぎる。

 

 

ま、こんな場所で作業するんだから、効率的に来た時に相当やっておかないとだよな。

 

すごいわ。

 

 

作業を終え、来た道を降りる。

 

 

観光なら来た道と違う道で降りたりするが、そんなことはない。

 

あののぼる時の急所を今度は降りるのか。

 

降りる方が転んだ時ダメージが多い気がする。

 

 

途中動物とかとの出会いを期待したが全くそれもなく。

 

会話もなく、

 

ただただ拷問のように上り下りするだけだった。

 

 

二度と来ない。

 

こんなところ

 

大金つまれても来ない。

 

 

そう思いながら無事自分の車に着いたら

 

本当にうれしくて

 

 

達成感がちょっとはあった。

 

 

あっさりと

 

「じゃ、お疲れさまでした」

 

 

と解散。

 

 

何一つ人間らしい会話もなく

 

出会って作業してさよならする。

 

 

よほど昨日の信子さんとの会話の方が深く楽しかったわ。

 

 

まったく。

 

 

 

 

 

以上、トレッキングイベントでした(^^♪