売上計算:フラッシュマーケティング〜たい焼き店の悲劇
いつもありがとうございます。
グルーポン(フラッシュマーケティング)を利用して
1700枚のクーポンを発行したたい焼き店で、
1300枚の使用中止を宣言しました。
その理由は・・・
「経営がなりたたない」
というものでした。
このお店ではグルーポンでのプロモーションで、
1000円分の購入できるクーポンを50%引の
500円で販売し1700枚(6月までの有効期限)が
発行されました。
今回のたい焼き店のケースでは、
おおよそ以下のような計算になります。
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割引前の売上金額:@1000円×1700枚=170万円
割引での売上金額: @500円×1700枚=85万円
グルーポン広告料:85万円×0.5 =42万5000円
グルーポン広告での実質現金収入:42万5000円
実際にクーポンが使用されて
入ってくるべき現金収入:@500円×400枚=20万円
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しかし顧客はグルーポンに支払っているため
店頭では、現金収入はない。
原材料費、販売管理費、人件費等が持ち出しになるため
キャッシュフローが苦しい。
さらに、偽造クーポンを使用される行為もあった。
そしてこの時点ではグルーポンから6万円だけが入金された。
このような理由から、残り1300枚のクーポン使用を
中止すると宣言しました。
ここに不思議があります。
1700枚販売されたとしても、
実際に1700枚すべてが使われることはあり得ません。
使用する事を忘れ使用期限が過ぎてしまったりするからです。
では、この使用されなかった分のクーポンの売上は
どうなるのでしょうか。
当然お客様のもとに返金されることはありません。
そのまま売り上げとして残ります。
それが『退蔵益』となり、
収益に貢献するビジネスモデルになっています。
ではこの『退蔵益』どこに行くのでしょうか。
お店に行くのであればいいのですが、
残念ながらグルーポンが100%持って行ってしまいます。
100%グルーポンにというところが、ある意味、
お店のWIN-WINの関係を構築していないとも言えます。
ですから、仮に販売された1700枚の内、
20%(340枚)が未使用で期限切れになった場合、
グルーポンの退蔵益:@500円×340枚=17万円
ということになり、
グルーポンの手元には、
42万5000円+17万円=59万5000円
がキャッシュとして残ることなります。
つまり、今回のたい焼き店のクーポンでの
総売上85万円の70%をも占める金額がグルーポンに残るのです。
お店側からすれば
売上の70%が相手側収入になる広告・・・
美味しいビジネスですねぇ(苦笑)
フラッシュマーケティングを使用した広告宣伝活動は、
事前にその効果効能、メリットとデメリットを
よくよく考え計算しておきたいものです。
(資金がだぶついていて余っているならいいですが・・・)
レストランなどでは、
ディナーコースを50%引きで販売したお客さまが来店した際に
アップセールとしてワインなどの飲み物を
勧めたりします。
しかし、あるレストランでは、ドリンクメニューには
安い商品がすべて品切れ扱いで、比較的単価が高い商品しか
提供できないようにされている場合もあるとか・・・
(太刀の悪いことに、通常料金でディナーを食べているお客さまには
安いドリンクを提供している所なんかを見られたら最悪ですね)
なんとか客単価を上げたいというお店側の気持ちもよ~く解りますが
逆の立場になって考えてみればこれほど嫌なことはありません。
本来であれば、大幅な値引きでプロモーションしたのは
認知度アップであったり、次回以降のリピーターを
獲得することを主目的に据えていたはずです。
そこでお客さまに嫌がらせをしてしまっては
本末転倒です。
ですから、一発で回収できることは無いと思っていた方がいいでしょう。
(製造原価や人件費など一般管理費が極端に低くて儲かるという場合は除く)
ビジネスモデルを良く理解し、
ビジネスプランを計画し
意義ある行動をして、結果を出していただきたいものです。
ありがとうございました。
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