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『レイトスターター向けのヴァイオリン教室』〜矢吹彩さん〜


生きる人の言葉 | BEBEインタビュー

ヴァイオリンの先生を目指している
矢吹彩さんにインタビューをしてきた。

私が彼女に出会ったのは高校時代。
彼女を見たはじめての記憶は、足に装具をつけて歩いている姿だった。

私と矢吹さんは高校一年の時に同じクラスだった。

一年間の彼女の印象は、
いつも沢山の人が周りにいたこと。
よく笑う。いつもプラスの空気が漂っていた。

今回彼女をインタビューして、その理由がよく分かった気がする。
彼女の言葉にはプラスの力があった。
この記事でそんな彼女の力が、少しでも伝わったら嬉しい。



矢吹さんの目標は、「レイトスターター向けのヴァイオリン教室」を開くこと。
同じ年齢でここまで明確な目標がある人は少ない。

もともと音楽が身近にあった矢吹さんは、
中学の頃には音楽を一生やりつづけたいという強い意志があった。

中学では吹奏楽に入り、ピッコロをはじめた。
しかし生まれつき右手の指が4本しかないことで、ハンデを感じていたという。

自分の体でもハンデを感じない楽器はないものかと、
テレビの中で演奏するオーケストラを見ながら探した。

弓を持つなら、4本でもできるんじゃないか?

ヴァイオリンをはじめたのはそれがきっかけだった。


しかしヴァイオリンは数ある楽器の中でも早期英才教育が必要だと言われている。
矢吹さんがヴァイオリンを始めたのは14歳の頃。

世間的に言えば「遅い」ことになる。またハンデが矢吹さんに付きまとった。
ヴァイオリン界では遅くから始めた人のことを『レイトスターター』と呼ぶ。

矢吹さんがレイトスターターとしてハンデを自覚したのは、
英才教育をしっかり受けた年下の演奏を見た時。

ヴァイオリンを持つオーラだけで、大きな違いを感じたと言う。

このままでは駄目だと感じた、でもこれ以上上手くはならないとも思った。
とリアルな言葉が溢れた。

それでもヴァイオリンをやめたくはなかった。と、矢吹さんはネットサーフィンで
レイトスターターでどこまでうまくなれるのか、レイトスターターでもプロになれるのか、
そんな事を調べていくようになった。

そんな中で、あるヴァイオリンの先生が開設しているHPへたどり着く。
そのサイトで書いてある文章を読み、
刺激を受けた矢吹さんは、当時抱えていた不安を先生へメッセージした。

先生からの返信は『正しい努力をすれば可能性はある』という、心強いメッセージであった。

矢吹さんは『私を、ヴァイオリンの先生にしてくれませんか?』と返信をし、
先生の教室に通いはじめる。

そこから、目標の実現の為に猛練習をした。
自分でも分かる程、自分の演奏が変わったという。

実力が上がるにつれ、
様々な人に、演奏に誘われるようになった矢吹さん。

そんな彼女は私の前ではっきりと言った。

『うまくならないと、楽しい経験もできない』

様々な壁を前にしても、足を止めずに歩いた矢吹さん。
「できない」を「できる」に変えていく彼女には
人を奮い立たせる力がある。

将来彼女が教室を開いた時、またインタビューをしたい。
きっと彼女はまたより一層輝いているだろう。

そして彼女の周りには、
高校時代以上に人が集っているだろう。

私もその一人でいれるように、
歌い手として諦めずに努力していきたい。


インタビュー最後に彼女に大きな質問を投げかけてみた。
あなたにとって生きるとはなんですか?

『楽しむこと。』

『楽しむために、頑張ってる。』


BEBE Vo. Ura

BEBE http://www.bebe-b.com

『幸せなお菓子を作る』〜寺山直樹さん〜

「お菓子のことしか話す事がないんだよね~(笑)」


と、お菓子作りについてものすごく熱く語ってくれたのは
パティシエの寺山直樹さん。


「ミルフィーユの生地っていうのはね~、こういう風に出来ててね」
「あそこのケーキはすごく美味しいよ~」


お菓子の話しをしている顔はものすごくイキイキしている。


生きる人の言葉 | BEBEインタビュー
※寺山さんが作ったケーキ※


寺山さんは私(YOKO)と同じ三重県出身で、一年前に三重から単身で東京に出てきました。
寺山さんの夢は「三重県で、自分のお店を持つ事。」
偶然、私が育った町でのオープンを考えているとのこと。


小さい頃わくわくしながらいったケーキ屋さん。
そんな子供の頃のわくわく感を思い出しながら
寺山さんのお仕事への思いをインタビューしてきました。


Q.まず、パティシエになろうと思ったきっかけを教えてください。

A.始めからケーキ作りをしようとは考えてなかったんだ。
きっかけは、高校生の時に三重で食べたレストランで食べたカレー。
そこのカレーのおいしさに感動して…こんなにおいしいものが作れるんだなって。
自分でもおいしいものを作りたいと思った。
それから調理の専門学校にいって、デザート作りの勉強をして。
ケーキ作りの楽しさにどんどん惹かれて行きました。


その後、三重のケーキ屋で9年間パティシエとして活躍。
寺山さんは奥さんと息子さんと離れパティシエの修行のため一人東京へ。


Q.東京に一人で来て不安だったことはなんですか?

A.やはり、家族に会えないことはものすごくさみしい。
でも、自分がこの仕事を頑張ってやれるのは家族のためだから
そう考えればなんでもがんばれる気がするんだ。


Q.お菓子作りの魅力はなんでしょう?

A.とにかく、ケーキ作りは楽しい。
一つ一つの素材から時間をかけて一つのものになっていくのがすごく好きです。
一番ワクワクする瞬間ですね。
仕事が楽しいと思えるのは幸せです。

Q.パティシエをやっていて辛いことはなんでしょうか?

A.お菓子作りに関しては、辛い事はありません。
ただ、お菓子は一人で作るものではなくてとても連携プレーが大事。
周りの人たちとうまく連携をとることはすごく大変なことでした。
でもそれを乗り越えてから、見えてくれるものが沢山あった。

あと、ケーキを食べてくれるお客さんの顔が見えないのは少し悔しいです。笑


Q,悩んだ時はどんな風に乗り越えて来たんですか?

A.やっぱり周りの人に支えられているから、がんばれるんだと思います。
でも、家族には辛いことは吐き出さないことにしてるんです。
離れてるからこそ、一緒にいられる時間は楽しい時間にしたいと思ってるから。
これは多分、自分の仕事に対する大事なプライドなんだと思う。


Q.最後に寺山さんの夢はなんでしょうか?

A.僕の夢は「自分と家族が幸せになること」
自分がやりたいことを生き甲斐にしていかないと
家族も幸せになれないと思っているんだ。
だから、自分が好きな「お菓子作り」という仕事を懸命にがんばって
家族を守っていく事が僕の夢です。
そのために、自分のお店を三重でオープンさせることは
僕の近い目標です。

それと、後の世代に繋げていきたいとも考えています。
自分がお世話になったお店、地域に恩返しもしたい。
僕のような夢を持っている子たちに夢を与えられるような人になりたいです。




寺山さん、素敵なお話しありがとうございました。

お菓子作りの話しをすごく楽しく話してくれる寺山さんを見て、
改めて、自分のやりたい事を実現させて頑張っている人の強さを感じました。

「自分と家族が幸せになること」
私は、寺山さんが何回か口にしたこの言葉がここ数日間ずっと頭によぎっています。
とても素敵な言葉です。
この言葉を堂々と言える生きかたをしている姿は、とてもかっこ良くみえました。

お菓子と家族のお話し。
なんだかとっても温かい気持ちになるインタビューでした。

数年後、三重でオープンされる寺山さんのお店は
きっととても幸せな空間に違いないと思います。

今度私が三重に帰った時は

「ここのお店、私の友人のお店なの!」

と自慢げに大事な家族を連れて行きたいと思います。


BEBE Key.YOKO


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『社会福祉と生きる人』〜前田恭二さん〜

現代の社会福祉問題と
本気で向き合う人がこの世の中に何人いるでしょうか。

社会福祉と向き合うということは、
社会や政治、家族や利用者等、
関わる全てに目を向けていかなくてはなりません。

様々に入り組んだ問題のせいで、
向き合えない福祉士さんも沢山いるのではないでしょうか?


しかし、それでも立ち向かおうとする福祉士さんもいます。

今回はそんな社会福祉と生きようとする方のインタビュー記事です。


前田恭二さんとはじめて会ったのは2年前。
当時、前田さんは知的障害福祉施設で勤務されていました。

社会福祉を語る姿勢がとても真剣で誠実な方だったので、
私は何度かお会いして、福祉や利用者さんへの熱意を聞いてきました。


そんな前田さんが仕事をやめ、
デンマークへの留学をしたのは去年のことでした。

デンマークは優れた福祉国家として知られています。
前田さんはそこで改めて福祉の勉強をする為、半年間の留学をしました。

そして今年、帰国された前田さんとお会いすることができました。


そこでのインタビューです。


Q 何故、改めて福祉の勉強をしようと思ったのですか?

A  最先端の福祉を学び、自分自身をスキルアップをしたかったから


Q デンマークの印象

A高齢者、障害者、健常者みんなが生き生きと過ごしてる。


Q デンマークと比べて日本に足りないものはなんでしたか?

A 自分だけ変わっても仕方ないという考えはではなく、
まずは自分から変わっていこうと思う考えが大切。
その考えが、自分の周りを動かし、施設、地域、社会、国を動かしていくと思う。


Q 日本の福祉はどうやったら変わっていくと思いますか?

A とにかくもっと、意見を言っていかなくてはならないと思う。
  言って変わるかは確かに分からないけど、言わなければ何も変わらない。
  社会や政治、施設も、もっと人の意見を聞く場を設けるべきだと思う。
 とにかく出来ることからやっていくしかない。


Q 最後に、この仕事をやっていて良かったと思う時はどんな時ですか? 


A 利用者さんから、”人間本来の純粋さ”を感じた時。
 



このインタビューを終えて、
私は心の底から前田恭二さんという人間を尊敬しました。

答えのない中、自分の出来ることから行動していく前田さんの姿は
誰にとっても勇気づけられるものだと思います。

私は心から前田さんを応援したい。
どうかよりよい社会福祉が実現できますように。


最後に、印象に残った前田さんのお話しを載せておきます。


『ある時利用者さんが「あしる!あしる!」って言ってきて、
何を言っているのか全然分からなかったんだ。
だけど後から「あしる。。。『走る』だ!!って気づいた時すごく嬉しかったんだよ。
意志疎通ができた時が一番嬉しいんだよね。』



生きることをあきらめないように | BEBEインタビュー




BEBE Ura
BEBE http://www.bebe-b.com
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