こんばんは!ひのははです。

昨日放送のBS日テレ「ぶらぶら美術・博物館」をご覧になりましたか?

前半は東京會舘をぶらぶらし、それから三菱一号館美術館で開催中の「フィリップス・コレクション展」を見るという内容でした。

既に自分が見に行った展覧会では、どの作品が選ばれて紹介されるか楽しみです。

また、展覧会場で説明されていたことの復習にもなりますね。

 

さて、今回はこの展覧会で一番ポストカードの売れ行きが悪いカンディンスキーの《白い縁のある絵のための下絵Ⅰ》

 

がフィリップス・コレクションに加わった来歴が番組の中で説明されました。

このカンディンスキーの作品は、アメリカのコレクターであるキャサリン・ドライヤーの遺産だったそうです。

キャサリン・ドライヤーが亡くなった時に、まとめてコレクションを受け取って欲しいとマルセル・デュシャンがダンカン・フィリップスに申し入れを持ってきたそうです。

その申し入れに対し、フィリップスは「全部は要らない。必要なものだけ選ばせろ」といったとか・・・。

もらう側なのにすごいなぁ~。

キャサリン・ドライヤーのコレクションのリストの中には、申し入れにやってきたデュシャンの作品も含まれていたそうですが、その作品も要らないとお断りしたんですって!

一般的な日本人は相手の気持ちを推し量って、たとえ好きじゃない作品でも受け取ってしまいますよね。

でも、それではお気に入りの作品に囲まれたゴキゲンな気分は味わえないです。

お断りした作品群はニューヨークの近代美術館に渡して、フィリップスは自分のコレクションにふさわしいものだけを引き取りました。

そのうちの一つが、この完全に抽象画にまで至っていない聖ゲオルギウスを描いたカンディンスキーの作品だそうです。

 

このエピソードを聞いて、自分の生活を振り返ってみました。

たいして気に入っていないのに安かったから買ったカバンや高かったからと捨てられない服、自分の趣味に合わない頂きもののアクセサリーなどが転がっています。

嗜好品を持つ基準のものさしを自分の“好きなもの”にしぼると、ダンカン・フィリップスほどのお金持ちのコレクターでなくても、スッキリと気分よく暮らせそうです。

コレクション自体はあまり私の趣味ではありませんでしたが、自分の”好き“に忠実な姿勢には感心しました。

 

なお、次回の「ぶらぶら美術・博物館」は2月12日放送です。内容はあの北斎センセイの「新北斎展」。また、たのしみですね~。