こんばんは!ひのははです。

大晦日の今日、渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで「ロマンチックロシア」を見てきました。

1年を締めくくるのにふさわしい、見ごたえある展覧会でしたよ。

 

ロシアの絵画といったら、どんな画家の作品が思い浮かぶでしょうか?

現ベラルーシ出身のユダヤ系のシャガールやモスクワ生まれのカンデンスキー?

でも、彼らはほとんどフランスの画家って感じです。

中野京子さんの『怖い絵』でその名が日本でも知られるようになったレーピンが、ロシアの風土に根差し国を代表する画家ではないでしょうか?

レーピンの作品も来ていましたが、彼の友達であり師でもあったクラムスコイの《忘れえぬ女(ひと)》

 

は、やっぱり今回の展覧会の花でしたね。

同じクラムスコイの《月明かりの夜》

 

もそうですが、この絵の瞬間の前後の物語が想像できます。

女性を描いた作品は9点集められていましたが、西洋絵画なのにヌードが1点もないのがロシアらしかったです。

寒いから脱がないのでしょうか?

 

この展覧会は雄大なロシアの自然を描いた作品が多く来日しているのですが、面白いことに冬を描いたものが少ないのです。

四季の中で、春7点、夏15点、秋6点、冬5点という作品数の内訳です。

これはロシア人画家がおずおずと緑が出現する春や短い夏を喜んで描いていて、冬を描いた作品が少ないからなのだそうです。

私たちにとって描いて見せてほしいのは、日本では考えられないような厳しいロシアの冬の自然美なんですけどね。

住んでいる人にとっては嫌なものなのでしょう。

冬を描いたヴィクトル・ワスネツォフの《雪娘》

 

はおじいさんおばあさんに育てられる冬だけいる娘のお話です。

ロシア版かぐや姫みたいだと思いました。

 

展覧会の章立てが1.風景 2.ロシアの人々 3.子供の世界 4.都市と生活 となっていましたが、2と3は分ける必要がないように思いました。

ロマンチックをテーマにしているので、展示もパステルカラーの壁紙を使うなど会場には工夫がなされています。

解説文は無理やりロマンチックに持っていこうとちょっと無理した内容もありました。

でも、作品紹介の紙も一般的な真っ白ではなく淡いクリーム色の用紙で、なかなか細部まで気を配っている感じがします。

ほぼ2時間たっぷり楽しみましたよ。

 

来年最初の「ぶらぶら美術・博物館」もこの展覧会を紹介する

 

 

 

ので、楽しみです。