おはようございます!ひのははです。

昨日放送のTOKYO MX「アートステージ画家たちの美の饗宴」のテーマは、「イエスに洗礼をほどこした聖人ヨハネ」

http://s.mxtv.jp/variety/art_stage/rekishi.php?id=6176115

でした。

実は私はイエスの先駆者と位置付けられる洗礼者ヨハネとイエスの弟子である使徒ヨハネの区別が、いま一つハッキリしていませんでした。

この番組を見て、有名どころの絵画に出てくるヨハネは洗礼者の方だったのね!とよくわかったのでご紹介します。

 

ルーヴル美術館にあるラファエロの人気作品《聖母子と幼児聖ヨハネ》通称《美しき女庭師》

 

で、描かれている2人の赤ちゃんのうち、右側がヨハネ。共に描かれることの多い象徴(アトリビュート)として、杖状の細長い十字架を持っていることからわかります。

洗礼者ヨハネはイエスと親戚でもあったんですって。ラファエロの絵は、親戚の子ども同士が戯れているほほえましい様子に見えますもんね。

 

この赤ちゃんの最期は、画家がこぞって描く“生首”のテーマになっています。

番組で紹介されたのは、カラヴァッジオの《洗礼者聖ヨハネの首を持つサロメ》

 

サロメの首を持つ男のおでこを見てください。

左から指す光の具合は実にドラマチックですね。

 

この演劇の一場面のようなサロメに対し、オスカー・ワイルド著『サロメ』のビアズリーの挿絵

 

は耽美的あやしい魅力を放っています。

 

時代が下るとともに、聖人の宗教画からグロテスクなものを見たい人間の欲望を満たす絵へと変遷しているのがわかります。

 

番組では紹介されませんでしたが、キリストの弟子である使徒ヨハネはグレコが《福音記者ヨハネ》

 

として描いています。

こちらのヨハネ作品は少ないです。やはり“生首”のように、人をハッとさせるエピソードがないからでしょう。

 

幼子イエスと一緒に遊んでいるもう一人の幼児=皿に乗った生首、それが使徒ヨハネとちゃんと自分の中にインプットされました。

西洋絵画を見る上で必要な知識をちょっとずつ、美術番組を通じて増やしていきたいものです。