こんにちは!ひのははです。
今日は4月の陽気だとか・・・。とても冷えますね~。
さて、明日は父の日ですが『新約聖書ルカ福音書』放蕩息子のたとえ話というのをご存知ですか?
放蕩の末に財産を使い果たして帰ってきた息子を温かく迎える父の話で、寛容さを示す話として多くの絵画で扱われています。
一番有名なのは、やはり光と影の画家・レンブラントの《放蕩息子の帰還》
でしょう。
許しを請う息子の表情は見えず、温かく迎える父の姿に光を当てて描いています。
画家が生涯で手がけた宗教画の中でも、特に秀逸の出来栄えと評価されている深い精神性を表現した作品です。
イタリア最後のオールドマスターと呼ばれた18世紀の画家・ポンペオ・ジローラモ・バトーニにも同じテーマの美しい作品があります。
この画家のことは、昨年森アーツセンターギャラリーで開催された「大エルミタージュ美術館展 オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち」で初めて知りました。出品されていた《聖家族》はとても評判がよかったようです。
3年前に国立西洋美術館で開催された「グエルチーノ展 よみがえるバロックの画家」での《放蕩息子の帰還》
がこのテーマの絵では私のイチオシです。放蕩息子を歓迎する雰囲気が、飼い犬の姿からも醸し出されています。
こうしたテーマが絵画で何度も描かれているのは、実は現実にはあまりない家族の理想の姿だからなのでしょうね。
「過ちを赦してほしい」「温かく受け入れて欲しい」という子の願いをたやすく受け入れられるほどの包容力のある親が、本当はあまりいないのが現実社会です。
ちょうど1週間前に、東海道新幹線で無差別殺傷事件が発生しました。加害者の実父へのインタビューを聞いて、あまりに突き放した物言いに違和感を覚えた方も多かったのでは?
父の日ギフトをお父さん自身が買う「セルフ父の日」 現象が拡大しているとか。本当なんですかね。
モノを贈るとかよりも、「父の日」は相手を認めて尊重する父性の包容力について考える日であってもいいのではないかと思います。