こんばんは!ひのははです。
今日はゴールデンウィークの半日を三菱一号館美術館で過ごしました。
「ルドン―秘密の花園」http://mimt.jp/redon/
開催中です。
それ程知名度の高い画家ではないと思うのですが、かなり混雑していました。
やはり、今月NHKの「日曜美術館」
https://www4.nhk.or.jp/nichibi/x/2018-04-08/31/22503/1902756/
BS日テレ「ぶらぶら美術・博物館」
http://www.bs4.jp/burabi/onair/264/index.html
で取り上げられた効果でしょうか?
さて、この展覧会は人知でははかりしれない不思議な世界を、ルドンという画家が自由に描き出したといえそうです。
中には《エジプトへの逃避》《ヤコブと天使》といった、西洋絵画の伝統的なテーマの作品も見られました。
でも、基本的にはルドンは何物にも捕らわれずに描いていますね。
シェイクスピアの戯曲『テンペスト』に登場する怪物・キャリバン《キャリバンの眠り》は、菩提樹の下で眠る仏陀のような姿です。
同じキャリバンを描いても、黒で小さな角が生えたどんぐり眼の《キャリバン》もありました。
同じ文学作品から着想を得たと思えない程、見た目が違います。
ドルイド教(古代ケルト人の宗教)の巫女、イスラム風やインド風の性別不明の人・・・。
今回、この展覧会のチケットにもなっている《眼をとじて》
も、手前の花々が植物というより動物じみた印象を受けるものでした。
今回のメインは、ドムシー男爵の食堂を飾った15点の作品です。写真撮影可のコーナーもこの作品のレプリカが飾られていました。
その中で、私はこの白濁した水の中から木が生えているような作品が気に入りました。
手前の枝や花は何か刺繍でもしたように浮き出て見えます。
展覧会の展示方法としては、最後に《グランブーケ》
を持ってきて終わるのが望ましかったと思うのですが、《グランブーケ》の後にルドンの「装飾プロジェクト」がありました。
ちょっとこの点は蛇足のような感じです。
裏から光を当てているように発色して見える大作《グランブーケ》が最後だと、華やかに展覧会が締まったと思うので、そこはちょっと残念です。
いずれにしても、不思議な世界だけれど嫌なおどろおどろしさはなく、楽しめる展覧会です。まだ、来月20日までやっているので、見ていない方は連休明けにでも如何でしょうか?