定年退職して自由に時間が取れるようになり、航空運賃の安い時期を選んで毎年2回は海外旅行に出かけていました。

 

私たち夫婦の海外旅行の楽しみの一つが美術館や宮殿めぐりでした。

 

2014年のパリ旅行ではルーヴル・オルセー・オランジュリー・マルモッタン美術館を巡り、ジョゼフィーヌの企画展をやってたリュクサンブール公園の美術館も訪ねました。

 

ルーブル美術館は2度目なので真っ先にリシュリュー翼3階のオランダ17世紀後半展示室に向かいました。

お目当てはフェルメールの「レースを編む女」「天文学者」

「レースを編む女」は2009年に日本に来ました。思いのほか小さな絵画ですがとても存在感がありました。

「天文学者」は2015年にルーヴル美術館展の目玉として日本に来ましたが、静かなルーヴルの展示室と違って混雑した日本の美術館だとゆっくり鑑賞することはできなかったと思います。

 

ルーヴル美術館でフェルメールに魅せられた私たちは翌年アメリカ東海岸の美術館を巡るツアーに参加しました。

 

ボストン美術館、フィラデルフィア美術館、ナショナルギャラリーオブアート、そしてメトロポリタン美術館を巡ります。

 

30数点しか現存しないフェルメール作品のうち12点が米国東海岸にあり、そのうち8点がこのツアーで行く美術館にありました。

 

ワシントンのナショナルギャラリーオブアートはスミソニアン博物館群の中にあります。

 

フェルメール作品の展示室はナショナルギャラリーのエントランス近くにありました。

「手紙を書く女性」

「真珠を量る女」 天秤を持つ女ともいわれる作品、柔らかい光が妊婦に注いでいます。壁の絵画は「最後の審判」天秤にどんな意味が込められているのでしょうか。

「赤い帽子の女性」

「フルートをもつ女性」

この絵はフェルメールの真筆ではないとの説があるそうです。

 

米国東海岸美術館巡りツアーの最後の訪問地はニューヨーク。

初めて見るブロードウェイのミュージカルも楽しみにしていましたが、どうしても訪ねたかったのはメトロポリタン美術館でした。

 

メトロポリタン美術館では4つの作品を鑑賞することができました。

「信仰の寓意」この作品はこれまで持っていたフェルメールのイメージと違っていました。

背景の絵画は磔されるキリスト、床にはリンゴと蛇、キリスト教徒ではない私にはこの絵が何を託しているのかよく分かりません。

「窓辺でリュートを弾く女」

「水差しを持つ女」 左から柔らかい光が差す室内と女性はフェルメールがよく描く構図、好きな作品です。

「少女」 フェルメールの娘がモデルかも?この少女も真珠の耳飾りをしてました。

 

2015年の美術館巡りツアーでは、お目当ての展示室まで私のサポートで妻はなんとか歩いて辿りつくことができました。

立っているのが難しい妻とのツーショット、私が後からしっかり支えています。

 

これまでフェルメールの10作品を訪ねることができましたが、どうしても見ておきたい作品がありました。

 

デン・ハーグのマウリッツハイス美術館の「真珠の耳飾りの少女」

2012年にこの作品は来日していますが、もちろん見ていません。

 

米国東海岸ツアーでは他のツアー客と同じように行動するのが大変だったので、団体ツアーでマウリッツハイス美術館を訪れるのは難しいと思いました。

 

2016年もパリ旅行に出かけましたが、パリからオランダそれもデン・ハーグへの移動はハードルがとても高く「真珠の耳飾りの少女」と巡り合うことはできなくなりました。

 

今年10月にアムステルダム国立美術館等のフェルメール作品8点が来日するそうですが、雑踏の展示室に出かける気持ちにはなれません。